Nicotto Town


安寿の仮初めブログ


月山から湯殿山へ その1


夜明け近く、
月山八合目の登山口にある山小屋の窓から外を見たら、
朝焼けの気配!

  期待~!

ところが身支度をして、
弁当をもらって外に出たら、ガスってる~!

  え~ん(泣)

  高原状の稜線を
  朝日に照らされながら
  山頂へと登っていきたかったのに~

とはいえ、ともかくも歩き出さねばなりません。

おそらく日本海のある西側から吹き上がってくる風でガスが発生し、
稜線全体を包んでいるように思うので、
日が差して気温が暖かくなれば、西側からの風も弱まり、
ガスも消えてくれるのではないかしら。
天気予報は晴れだったし…。

仏生池という
月山九合目にある山小屋までは、
ほとんどガスの中の山歩き。

でも、月山八合目から九合目を経て頂上へ向かう登山ルートは、
急登も危険箇所もなく、
登山道もよく整備されていて、
ガスの中であっても迷うということがありません。

ただ、天気がよければ、
高原状の稜線を見渡しながら登っていくはずなので
ちょっと残念。

行者返しという、
ちょっと急な岩場を過ぎると、
稜線上の木道歩きになって、
後ろを振りかえれば…、

  おおお~、ガスが晴れて、鳥海山が見えてる~!
  あああ~、東側には池糖を数多く抱えた行者ヶ原が開けてる~!

案の定、
日が差して暖かくなってきたら、
ガスが薄くなってきて、
東側の方から次第に、
月山全体の展望が利くようになってきました。

  芭蕉  雲の峰 幾つ崩れて 月の山

  なるほど~、こういうことだったのね、芭蕉さん。
  あなたもこういう光景をきっと見たのね。


やがて、ガスに覆われていた西側の険しい谷までも
見渡すことができるようになってきました。
だけど、やはり西側は、吹き上げる風が強いのなんの。
ところが稜線を東側に少し進めば、
風はぴたりと止んで、朝の雄大な高原が広がります。


ほどなくして無事、月山頂上にある月山神社に到着。

月山神社の中は、写真撮影禁止。
中に入るには、500円のお祓い料を払わなくてはいけません。

500円を払うと、
「月山登頂証明書」と「月山神社御祓守」と人型に切った紙を渡されます。

帽子など被り物を脱いで頭を下げると
神主さんが朗々とした声で御祓いの祝詞を唱えてくれます。

次に、人型の紙で
頭から全身を撫でて穢れを拭い去り、
横にある小さな池に流して、禊ぎを済ませたことになります。

そうしてから月山神社に参拝。

  二礼二拍手一礼…  ぱんぱん

山頂の小さい神社ですが、
神主さんや宮司さん、巫女さんが4人もいました。

おそらく皆さん、この神社の建物に泊まって、
神事を司っているんだろうけど、
これも大変な仕事よね。
山頂だからお風呂入れないと思うし…

  案外、一番穢れているのは…   ☆\(ーーメ) そこから先は言うてはならん。


御祓いと参拝を終えて神社を出た後、
山小屋でもらったお弁当を山頂で頂きます。

梅干しの入ったおにぎり、
ゴマをまぶしてあるのとゆかりをまぶしてあるのが二つ。
そして、キュウリの漬け物がちょっと。
質素なお弁当ですが、
でも、頂上で食べるお弁当はいつも美味しい~。

山頂東側には、
コバイケイソウの群落が今真っ盛り。
やはり、月山の花の開花期は、
北アルプスに比べると遅いように思います。
これが今年だけの現象なのかどうかはわかりませんけど…。

さて、御飯を食べて、これから出羽三山最後の山、
湯殿山に向けて下山です。

湯殿山という山はあるのですが、
しかし、その山には登山道がありません。
ですから、湯殿山へは登るわけではなく、
湯殿山の山懐にある神社、
湯殿山神社へと降りていくわけです。

月山山頂から南西方向に向かうと、
いくつかの分岐を過ぎて、
鍛冶月光という急坂を降りることになります。

この急坂が終わった地点から、
牛首という分岐点を経て、
金姥という姥ヶ岳頂上への分岐点までは、
尾根状の緩やかな散歩道。

ここでも斜面にニッコウキスゲの黄色い花が群生していました。

金姥からは姥ヶ岳の斜面を巻くようにして下り、
湯殿山との鞍部にある装束場という分岐点に着きます。
ここには小さな避難小屋とトイレがあります。

昔の修行者たちは、ここから湯殿山神社へと降りる前、
この場所で装束を改め、わらじを履き替えたそうで、
それが「装束場」という地名になっているらしいです。

下り始めれば、すぐに湯殿山神社の建物が見えてきます。
ですが、ここからの急坂が月光坂と言って、
月山登山で一番気の抜けない場所です。

まず、鉄梯子が続きます。
長いハシゴが4段、短いハシゴが4段。
この難所は、金月光(姥月光)というらしいです。

古いハシゴの隣に、
最近、設置されたらしい新しいステンレス製のハシゴがあるので、
そちらを降りていきますが、
しかし、古いハシゴのままのところもあります。

一番下の長いハシゴでは
ハシゴに取り付く部分が、
この前の大雨の影響なのか、
ちょっと崩れていました。

ハシゴが終わると、
小さな沢が道に近づいてきて、
やがて、沢と道がほとんど一体化したようなところを下っていきます。
ここは水月光という場所。
沢水で登山道の石が濡れているので、スリップ注意です。

ここを下りきると、
轟々と沢音を立てている仙人沢へ出て、
仙人沢沿いの道を辿っていけば、
湯殿山神社に辿り着きます。


その2につづく。

アバター
2013/09/05 22:44
>あがたさん

仙人沢の優婆様? 

はて、そんなもの、見たかしら?

アバター
2013/08/29 09:40
お疲れ様でした。
月山まではきれいな景色が続いて、湯殿に入ると岩の連続。
さぞ下りは大変だったでしょう?お疲れ様でした。
月山山頂から湯殿に入って仙人沢の優婆様にはお会いになりましたか?
あの金月光はわたしは子供のころから悪夢で見る定番の場所でした。
初登拝の時あそこにさしかかり、泣きそうになったのはいまもしっかり記憶しています。
ご無事で何より。
続き読ませていただきます。



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