宇宙の神秘を垣間見せていた天球時計はいつの間にか消え去っていた。
チクタク座のホーラ殿は無事使命を果たされたようじゃ。

広場はまるでどこぞの宮殿の大広間の有様になっていた。
豪奢な絨毯の敷き詰められた白亜の宮殿は両翼の大階段を昇ると二階に昇る事が出来る。
両脇の小部屋の窓から中で動く人の影が微かにみえる。
それがしは鍵がかかった小窓からこっそり出窓に出てみた。まもなくパレードが始まると云う。

あれは昨年の今頃の事であっただろうか、この街に来て間もない頃パンプキン王国の王家の方々の難儀をお聞きしてその復活に力をお貸ししたのは・・・( ￣_￣)
その王家の方々が記念のパレードを開催するとの御布令が舞い込んできた。
これは是非お姿を拝まねばと勇んで広間に駆けつけた。

やがて、勇壮な音楽が流れだし静々と行列が現れた。
カボチャのお化けに扮した従者達の後ろに続く櫓の上に立つ美男美女が辺りの歓声に応えて手を振っている。

はて？(？_？)あれは、どなたであろう？
確かパンプキン王国の王家の方はもっとお小さい方々だと記憶しておったが・・
おお！お小さい方々が居られる。櫓の後ろを記憶の通りの四人が歩いて来られた。
しかし、その後ろの大きなカボチャの櫓の上に威厳を持って立たれている美丈夫と美しいご婦人がにこやかに人々に手を振っている。

Σ(ﾟ△ﾟ　)もしや、あの立派な美しい方々が魔法の解けた真の姿の王家の方々なのか！
ならばあのお小さい方々はかつての魔法にかかっていた時のお姿を模したものなのか。

いや、何ともちんちくりんな王様方だと思っていたがいや、むにゃむにゃ・・(ー✖ー)
何はともあれ完全復活なされた様で実にお目出度い事である。

ところでパンプキン王国の王家復活と街の５周年記念とどう云う関係があるのかそれがしにはイマイチ謎である