Nicotto Town


なのこのこ


観察ヒューマン

いい流れだな。俺の居る理由は無いな。藍夏には悪いが先に帰らせてもらう。階段をゆっくり上っていく。降りるときに、全力で走ってしまったから、若干疲れたようだ。少しずつ上がっていっても、もう3階まで来た。
すると、上の階から誰かが走っている足音がしてきた。
 「慌しいな」
圭はそうつぶやいたものも、さっき圭と藍夏と同じように走っていただろう。低学年の子を怖がらせたかもしれんな。悪かった。そんなことを思いながら、階段を上っていくと、その足音の主が現れた。しかも、声をかけてきた。
 「圭!やっとみつけた!ところで、桃木と中野は??」
総一かよ。
 「総一か、、、藍夏たちは、まだ下で話してる。俺にはやる事がなくなったから、、、。っで、お前は?」
 「あ、あ~~。あれだ!!敦が玲たちに話聞いててなんか、めんどくさそうな感じだったから、なんというか、、」
なんとも曖昧なやつだ。
 「それでどうした?」
 「まぁ、なんか関わらないでいろって話にまとまったみたいだ。」
 「へ~~。そうか」
一件落着って事か。
 「なんだよ。興味がないみたいだな~。」
 「まあな。」
そう言って、圭は総一を置いて階段を上がっていった。なぜか、性に合わない事をしてしまった。どうも感情的になってしまっていた。
 後ろから総一が走ってきた。
 「あっそ。次の時間なんだっけ?」
 「社会だろ。違うかった?」
確か、社会のはずだ。「あ~~」総一が溜め息をした。
 「社会科よ;;;あ~~。今は全くわかんねぇんだよな。」
総一はそういってうなだれた。
 「今のやってる時代って何時代なんだ?弥生?古墳?どっちだ?」
 「古墳だろ。弥生時代だったら、堪んないね。」
そうだ。今日の問題は、中野『弥生』だ。名前が被っている。『弥生』と何回も言われたら関係が悪化しそうだ。グループの面々の気分は悪いだろうな。
 「古墳か~。全くわかんね~。てか、弥生だったら何だ?」
 こいつは、本当に頭が悪いんだな。圭は総一の問いには答えずに、自分たちの教室に入っていった。
 「圭!圭~!」
ずっと、総一が俺の名前を呼んでいるが、無視しとこう―――――。





Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.