ある、うららかな日差しの秋の日、小さな訪問者が訪れた。

「こんにちはー　黒猫目さん、ごめんくださーい・・・あれ？誰もいないのかしら」
赤い大きなハイビスカスを小粋に頭に付けた茶色い子犬がしきりに首を傾げている。

「あれ？アッシュちゃん。こんにちは」
「あ、ビターちゃん　珍しいわね。こんな所で会うなんて。何しているの？」
「ん～・・ボクはここのお家の桜の木が好きでいつも木の上で日向ぼっこしてるんだ」
「あら、ほんとに桜の木があるわ。もう、冬も近いのに節操なく咲いちゃってること・・」
「ねえ、上がっておいでよ？お茶入れてあげる。アッシュちゃん何か用事？」
「そうね、お邪魔するわ。一周年のお祝いに来たんだけど・・黒猫目さんお留守なの？」

魔王はいそいそとお茶を入れ始めた。
「ん～・・黒猫目くんは街の見回りに行ったよ。『姫様の為にも不審なものをより早く発見し街の治安維持に務めるべく日々精進するのじゃ』とか言いながら出て行ったよ」
「ホントはね街のゲームコーナーで小遣い稼ぎしてるって使い魔の茶太郎が言ってたｗ」

「実はお祝いにケーキ持ってきたんだけど・・・冷蔵庫どこ？σ(´・ω・｀)」
「そんな物ないよ。ここの主人は文明の利器にとんと弱くて、あそこのテレビは全然映らないし、この前はスイッチ一つで掃除機を爆発させてたからね。冷蔵庫だってまともに使いこなせるとは思えないよ」
「あれー、困ったわね。この陽気じゃケーキ持たないわ～。しょうがない、ねービターちゃん。痛まないうちに一緒に頂きましょう。

「やったぁ、(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))ケーキだぁ　ボク甘いもの大好き！あ、他にも色々あるよ　一緒におやつパーティだー」

家の主、日も暮れて探索より帰り着たれば・・・

うん、今日は結構いい身入りだ（　＾ω＾）大分小遣いも増えたことだし何か良いものを買って見ようかな
掃除機は流石に懲りたが冷蔵庫ぐらいならそれがしにも使いこなせるじゃろう。

わわわ、何だ何だ！(￣□￣;)!!縁側に散らかってる茶碗や食物の残骸は！
誰の仕業じゃ！？空き巣か！？
こ、これは何じゃ。菓子折りの箱？何か書いてあるぞ。何なに・・・

《ニコッとタウンご登録一周年ありがとう御座います》

・・・・・留守の間に一体何があったのじゃ？(´？ω？｀)