銀杏並木
- カテゴリ:小説/詩
- 2013/10/30 15:41:58
今年も銀杏並木の季節が来た
カサカサと音を立てて
さらさらと降る銀杏を踏みしめて歩く
代々木公園の銀杏は
観光客で一杯だろう
それよりも少し外れた所に
目をはる銀杏の木がある
こんな風にぽつりと植わった銀杏は
誰も目がいかない
例えば図書館の端や
公園の片隅
私とあなたが行った時は
もう銀杏も終わっていた
来たしるしに足元の写真を撮った
それも遠い思い出
遠くに行った彼は
今頃何を見ているのだろう
はらはらと散る銀杏の葉を
見ているだろか
「信じていいのね」
その一言が言えなかった
「行ってらっしゃい」
その一言しか言えなかった
もう2年が過ぎて
銀杏の季節がj来て
一人見る銀杏は
さびしすぎる
ああ この2年を
飛び越したら
あなたの元に行けるのに
銀杏は頬をつたう
涙を隠してくれる