秋風
- カテゴリ:小説/詩
- 2013/11/02 07:43:15
忍び寄る秋は
木の葉を赤く染めて
いつの間にか
カサカサと
足音を立てる
カフェの片隅で
そんな風景を見ている
あたたいカプチーノは
シナモンの香り
シュガーを抜いたほろ苦さ
向かい側に座るのは
誰もいない
あなたがいなくなって2度目の秋
ぬけだせないまま
季節が過ぎていく
通り過ぎるの
秋風だけじゃない
私の心にも
夏の名残りの風が吹く
木の葉を散らすのは風だけじゃない
別れの足音は
ひっそりとやってきて
何時か心にひびを入れて
いつしか深くなって
半分になって行く
別れの足音は
いつしかまた一つになって
しなやかなハートになって
つややか色をきらめいて
一つになって行く
そんな時を待って
また一人人ごみを見る
あなたを忘れたころにきっと
新しい恋ができるかもしれない
この秋風に吹かれながら