重ねたリング
- カテゴリ:小説/詩
- 2013/11/12 12:49:15
それでも日々は過ぎていくのだろう
近所の奥さんと立ち話をしたり
子供の参観日に行ったり
クリスマスにはケーキを焼いたり
サンタさんの役をやったり
それでも日々は過ぎていくのだろう
日記をつけるこんな夜は
ため息が出る
毎日が矢のように飛び去っていく
どんどんとかこは遠くなる
左指のリングには
彼と私の刻印が刻まれている
もう何年も経つのだろう
この指輪をはめてから
そしてもう一つ重ねてから
彼にはおしゃれにしか見えない
でも違う
別れたあの人のたった一つの贈り物
なぜわかれたのか
二人にしかわからない
今夜も遅かった彼に
おかずを暖める
重ねたリングろ色はかすれたけど
いつまでんこのままつけていく
うそつきの私を抱えながら