マフラー
- カテゴリ:小説/詩
- 2013/11/19 11:15:20
ハロウィンが終わると
待っていましたというように
クリスマスの飾りがつく
赤と白の花が
店頭に並ぶ
クリスマスを待っていたかのように
いらなくなった編みかけのマフラー
私のとお揃いに
白い色を選んだ
長い長いマフラー
ほどこうか
迷う
悲しみはとっておくべきじゃない
それはわかっている
でもはかなすぎた
出会ってから数えてみる
2年
それは長すぎたのか
わからない
ただ風景が通り過ぎるだけ
心に隙間風が吹く
枯れてしまった銀杏の葉が
茶色くなって転がっている
柿の実は夕暮れに似あう
そんな風景を見に行こうか
故郷は遠く
帰るつもりもない
自分の心の中を
誰にも見せたくない
氷の塊を
笑顔が辛い
これから冬を迎えて
白く積もる雪の中
マフラーもなくあなたは
どう過ごすのだろう