リング
- カテゴリ:小説/詩
- 2013/11/21 15:51:43
赤いポインセチアが
街を彩る時
そっと取り出しては
はめる一つのリング
彼が買ってくれた
初めてのリング
傷がついているのは
長くつけていたせい
クリスマスには
いつもリングが欲しかった
今年はどこのリングを買おう
カップルでにぎわう店の中
彼にもらったリングをつけながら
自分へのご褒美に
シンプルなリングを買う
でもつけるのはこれだけ
今年は珍しく
パールの付いたリングを買った
パールは傷みやすいから
不断にはつけられない
彼とのリングと重ね合わせ
手をかざしてみる
輝くのはパールだけど
やっぱり光るのじゃ彼の方
返りたい
あの時に返りたい
どこに行ってしまったのか
私にはわからない
リボンのついた小さな箱に
今年のリングが一つ
あなたからの贈り物は
たったひとつのリングだけ