北風
- カテゴリ:小説/詩
- 2013/11/22 14:45:37
よく晴れた日に
北風が冷たい
二人でショールにくるまれながら
裸になった街路樹を見る
あの頃はショールよりは
あなたの体温が暖かかった
ぬくもりが伝わってきて
話す言葉も暖かだった
大きすぎるショールは
一人では包みきれない
あなたの為に買ったんだもの
なぜあなたはいないの
できることならあの日に戻って
二人靴音を残しながら
街を歩きたかった
それももう過去の話
あなたに買ってもらったブーツも
この季節にとりだして
コツコツと響かせながら
歩道を流れていく
あの日に帰りたい
あなたに帰りたい
思い出は多すぎて
私の中から吹き出すほど
北風の冷たい日
あなたはどうしているかしら
別の人とショールにくるまれて
同じように歩いているかしら
あの日に帰りたい
あなたに帰りたい
でももう過ぎ去った日々
落ち葉だけが知っている