Nicotto Town


みっちょん恋愛の詩


マグカップ


マグカップにコーヒーが二つ
一つは黄色
一つは水色
湯気を断つ茶色のお湯


熱いコーヒーを
そっと口に運ぶ
カップまで熱くなって
心の中まで熱くなる


ふとあなたのことを考えてみる
あなたの部屋の鍵をもらって
よく待っていたものだった
バイト先のファストフード店からのあなた


水色のマグカップの
コーヒーが冷めていく
飲む人のいないコーヒーが
さみしそうに冷めていく


街路の銀杏が
葉を落とす時
ポケットに手を入れて
歩いたものだった


私の右手があなたの
左のポケットに収まる
毛糸の帽子をかぶって
笑顔で話していた二人


もうすぐ冬が来る
右手は手袋の中
つなぐ手ももういない
木枯らしが冷たい


黄色のマグカップの
コーヒーも冷めていく
二人分のコーヒーは
思い出と共に冷めていく




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