Nicotto Town


すずき はなこ


へクセンハウス

明日は、温泉施設のポンプを修理するのですが、
設備の担当者K君は、いつも仕事場に、
小さな子供を2人、同伴させてきます。

はじめのうちは、現場にこんな子供を連れてくるなんて、
なんて非常識な奴だと、顔には出さないまでも、
はっきり言って、怒ってましたが・・・。

その頃、彼の奥さんは鬱病で、入退院を繰り返していました。
その事情を知ると、
現場に子供を・・・なんて、言えなくて、
彼が設備の仕事をしている間は、
わたしが子守をするようになりました。

子供たちは、女の子2人で、
それは、それは器量よしで、
どちらかというと殺伐とした建築現場でしたが、
よく、端っこでおままごとをしたものです。

その後、いろいろとあったことでしょう。
彼の奥さんは、とうとう自殺してしまったのです。
かれは、一生懸命奥さんを支えていました。
子供たちも、お母さんのことが大好きでした。

でも、病気が、子供たちのお母さんを殺してしまったのです。

しばらくは、彼も立ち直れそうにないほど、
苦しそうに、悲しみを隠し切れないでいました。
でも、小さな可愛い女の子が、二人もいるのです。
彼は、また、現場に子供たちを連れてくるようになりました。

明日、温泉施設のポンプ修理に、
また、彼とたぶん子供たちが来ることでしょう。

今、両手のひらに乗るくらいの、
お菓子の家を焼きました。
へクセンハウスといいます。
明日、子供たちが来たら、
一緒に、砂糖でできた糊でくっつけて、
お菓子の家を完成させるつもりです。

マーブルチョコやキノコの山も買ってきました。
鈴ちゃんが、あれもこれもと選んだので、
箱一杯の飾り用のお菓子が揃いました。

ほんとうだったら、
あの子たちのお母さんが、
優しく微笑みながら、
エントツの雪化粧をしたり、
ほっぺたについたクリームを、
拭ってくれたことでしょう。

甘い甘いお菓子の家を、
わたしと鈴ちゃんが準備しました。
とても可愛くできたのですが、
なんだか、よけいに涙が出てきて仕方ないのです。

アバター
2013/11/29 20:05
そういうお菓子の家をヘクセンハススというのですね。

はなこさんがしてくれた事を子供達は忘れないと思います、
あまい大人であれ、厳しい大人であれ、自分の達のために
何かしてくれた人は絶対忘れません。

アバター
2013/11/29 19:52
現在別居中の嫁、鬱病と診断されたと聞いています。
お話を読んで、ものすごく心配&不安になりましたが、

私が面会の時に独りで池袋まで出て買い物している

という話も長男から聞いています。

入院したことないし、大丈夫だと
元気だと快復に向かってるのだと、信じたいです。

はなこさん、やっぱりお優しいのですね。
子供達にとって、はなこさんの存在が間違いなく
大きな救いになっていることでしょう。

なんだか ありがとう と言いたくなりました。
アバター
2013/11/29 19:32
すずきはなこさんの気持ちは
その可愛い子供たちに伝わるでしょう。
素敵な優しさです。

K君もやりきれないでしょうね。
鬱は本当に怖い病気です。
K君自身が自分を責めないように
してほしいです。
アバター
2013/11/29 19:31
みみさん、こんばんは。
うう、へクセンハウス・・・
エントツの片側を」裏返しで焼き上げちゃった~。
ちょっとブサイクになりました。

うう、ごめんなさい。。。
アバター
2013/11/29 18:54
ううっ;;
いい話です。
優しくしてあげて下さい。^^
素敵ですよ。



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