Nicotto Town


グイ・ネクストの日記帳


小説 冥界の底にて


気づくと暗闇の中にいた。

周囲は寒い

肌寒さに凍えてしまいそうだ。

左目が潰れている。左の頭蓋骨も壊れたままだ。

くさすぎる。

どうしてこんなところにいるんだろう・・・。

闇は光。

ああ、そうか。ボクは奈落の底へ落ちたのか。

それなのに落ち着いている。

赤い目がボクを囲む。

目の前にいるのは悪魔王サタンだ。

巨大な蛇の姿をしている。


左側にいるのはフェンリル。氷狼フェンリルだ。

そのそばに呪怨(じゅおん)もいる。

右側にはグラシャラボラス(拒絶のルキフグス)

さらに後ろには「メフィストフェレス」がいる。

悪魔にずらりと囲まれているのに、ボクはとても落ち着いている。

闇は光。

黒い空が割れて、光が差し込む。

「タルタロス」がやってきた。

『ニュクス様がお呼びです』

ニュクスの息子にして冥界の王。

ボクは大グモ様と呼ばせてもらっている。

ボクは言われるまま、ついて行こうとした。

光にボクたちは照らされる。

どういうわけか・・・みんな笑顔だ。

サタンも笑っていた。

黒い暗黒の世界が、光で満たされる。

ニュクス様の涙が落ちて来たのだ。

ボクは人知れず・・・ゲヘナの民を全て救った。

闇は光。

闇。

絶望、孤独を体験したからこそ

光のありがたみがわかる。

希望を探す。

春が来て、冬が来るのだ。

あい




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