距離
- カテゴリ:小説/詩
- 2013/12/20 07:50:00
桜吹雪の中
卒業の日を迎えた
もうあなたともお別れ
あなたは故郷に帰る
サークルで一緒だったあなた
遠くて近い間柄
心はいつもあなたを追っていた
この気持ちを分かっていたの
サークル仲間で送別会
あなたの姿を目で追う
冗談を言いながら
笑いで盛り上げる
帰り路であなたは
「もうお別れだね」
ことりとつぶやいた
「これ、受け取ってくれる?」
渡されたのは小さな小箱
「サイズが分からなかったから…」
開けてみると輝くリング
私は言葉を失う
「ありがとう」
「私でいいの?」
「うん。ずっと好きだったから」
「帰っても連絡するよ」
サイズの合わないリング
鎖を通してネックレスに
いつもあなたと一緒
そう思っていたのに
距離は遠かった
「もうお別れなんだ」
「恋人ができたんた」
私はなんだったの
鎖からリングを外して
遠い距離を恨む
あなたを奪いたい
あなたと一緒になりたい
さよならの言葉に
泣き崩れながら
前に進んで行けない
今だけは許して