嘘つきピエロット。【アリスサークル】
- カテゴリ:自作小説
- 2013/12/20 20:15:01
そういえば思い出したことがあったので、昔のことでも少し話してみようと思う。
端的に言えば、シャギル=ティーゼとユウヤ=ピルエッタは浮浪児だった。
孤児と同じだが、僕らは生計を立てるために人殺しにも手を染めていた。そこが違いだ。
盗みなんて朝飯前、毎日の食事は街の人々から無造作にかっぱらった。
だから、生きるのに苦労はしていなかった。
正直に言って――そんな生活を楽しんでもいた。
……けれど。
「……ユウヤ?」
ユウヤが風邪を引いた。
真冬の街中、路地裏に人々の優しさなんて落ちてようはずもない。
僕らの自業自得だ。
だからまず、金を盗もうと思った。それで薬を買おうと考えていたのだ。
今思えば、11歳の子供にそんな高価なモノを売ってくれるはずがなかったのに、あの時は無知なままに突っ走っていた。
焦りとともに、1人だとプレッシャーから失敗が多くなると怪我が増えた。
ユウヤは日に日に弱っていき、食事もままならなくなる。
ただの風邪ではなかったのだ。
そんなことに、気づけるわけもなかった。
「ねえ、起きてよ」
ユウヤの風邪が酷くなると、こちらにまで伝染って歩くのさえ辛くなってきた。
身体が重く、熱さで朦朧とする頭では、もう考えることすら苦痛だった。
……ほんの少し、休むつもりだった。
自分たちの住処の路地裏から二本奥に行ったその場所は、ビンの底みたいに真っ暗で。
座り込んで目を閉じると、意識が薄れて異様な寒さもどこかへ消えていった。
どのくらいの時間が過ぎたか、ふと目が覚めた。
暗がりの底からゆっくりと浮かび上がるように意識が戻ってくるのがわかる。
相変わらず頭は痛い。けれど、明るい。
ここは知らない場所だ。
一瞬、具合が悪いことも忘れて起き上がろうとすると手足の自由が利かないことに気づく。
バタンと倒れ込んだそこは大きなベッドだった。
芋虫のように手足を拘束され、身動きを封じられていたのだ。
妙な焦りを感じたが、ユウヤのほうが気がかりだった。
……早く、帰らないと。
ベッドの柔らかさも、これから何をされるのかも、熱でゆだった頭では理解すら出来ない。
__そしてそこからは、あまり覚えていない。
まず、男が数人部屋に入ってきたのは確かに覚えている。
ベッドに転がされた僕に、群がるように男たちの貪欲な目と、手が迫ってきて。
それがまだ発育途中の貧相な胸に伸び、服が強引に脱がされたところで、記憶はブツンと途切れている。
途中途中に残像のように残っているのは、似たような男たちの顔だけ。
何をされているのか、正直わかっていなかった。
やがて男たちは僕に真新しい服を与え、また明日同じ場所へ来るようにと言った。
――僕の手には〝金〟が握られていた。
……あの日から、僕は〝痛み〟を感じなくなった。
あんなに苦労して手に入れたモノを、こんなに簡単にもらえる。
ただ少し、イヤなことを我慢するだけで、危険な行為に手を染めなくても確実に金が手に入る。
この調子で手に入れられれば、ユウヤに薬を買ってあげることも遠い道のりじゃなくなる。
どの男も似たような顔をして、キモチワルイだけで――僕は、何も感じないんだから。
毎日毎日、真新しい服を着て帰ってくる僕に、ユウヤは怪訝な顔をしていた。
見ないように、していた。
「…………ねえ、ユウヤ」
ある日、雨が降った。
けれども僕は、やっと治ってきた風邪を無視して休まずにそこに行く。
冷たい雨。心の底まで冷え切ってしまいそうな、冬の日の雨。
その日、男たちは金をくれなかった。
次の日まとめて渡すから、と返された。
仕方がないからそのまま街へ出た。手ぶらでは帰れないと思ったから。
ひもじそうな顔をして、懐の緩そうな見知らぬ男に擦り寄った。
あまりにも簡単に男は騙された。僕は知らずに、調子に乗った。
デートの約束を取り付けて意気揚々と帰ってくると、ユウヤは壁に寄りかかったまま寝ているようだった。
僕は今日のことを得意げに話して聴かせた。ユウヤは返事をしてくれかったけれど、もうすぐ、必要なお金が貯まるから。そしたら風邪も治るから、と。
そのまま眠りにつき、午前中いっぱい寝た。
デートの約束は夜だ。昼間は久々にユウヤとたくさん話して時間を潰した。相変わらず返事をしてはくれなかったけれど、聴いてくれてるんだろなと思っていた。
……1日くらいなら、男たちとの約束を破ってしまったって平気だろうなんて、思っていたんだ。
約束の時間、とある店の前で待っていると、僕を探していたらしい例の男達に捕まって無理やり連れて行かれた。
――何故かその日、僕は〝痛み〟を感じた。
泣きながら抵抗する僕を面白がって、今まで以上にそれは、知らないうちに僕という存在をすり減らしていった。
嫌だと叫んでも助けなんて来ない。
涙は、いつの間にか枯れていた。
その夜、男たちは僕に驚く程たくさんの金を弾んだ。そして今着ている服と、ブーツをくれた。
すぐに路地裏に帰ろうかと思ったが、一応約束の場所へと戻った。ふらつく足は言うことをなかなか利いてくれなかった。
すると、律儀にも相手はずっと店の前で待っていたらしい。
慌てて頭を下げて何度も謝る。
吐き出された白い息。
真っ赤な指先。
僕を見るなり男は血相を変え、僕を物陰へと引きずり込んだ。
冷たい路地裏に、また雨が降り始める。
冷たい、その雨は。
「……ねえ……返事してよ……」
僕を濡らしてずっと、ずっと降り続けていた。
膝を抱え、額を押し付けながら声を殺して泣いた。
悔しかった。
あんなにされても、まだ壊れてしまわない自分が憎らしかった。
「…………」
返事をしてくれなくなったユウヤは、もう冷たくなっていた。
*
次の日、僕は男たちを皆*しにした。
ユウヤに薬を買ってあげるために集めた金と、その遺体を一緒に全て燃やして、この街から逃げ出した。
ユウヤのトランプと、着の身着のままの自分だけで。
××を失った日のこと、今まで誰にも話したことはなかった。
あれから僕は、何かを思い出したように突然見知らぬ男に擦り寄っては、高いものをねだるだけねだって金を巻き上げ、身体に手を出されそうになったら殺すという行為を何度も繰り返していた。
そのあとは決まって吐いた。泣きながらアームカットをして痛みを感じないことを確かめた。
だから。
今更、知り合いとの〝キスくらい〟で。
何とも思わなくなっていた。
感じなくなっていた。
男はそういう生き物なんだと学習したし、女はただの遊び道具だと言うことも知った。
身をもって――
その2年後、僕は今の主に拾われた。
いつものように吐いて、アームカットをしていた時に。
彼女は僕に何も言わなかった。ただ優しく手を差し伸べてくれた。
それだけで、僕には彼女が救世主か女神か何かに見えてしまった。
それから、〝ある約束〟をした。
僕があの人の下で一生、危険な仕事をして、失敗すればお仕置きされるのと引き換えに。
何でも叶えてくれると言ってくれた。
だから僕は――――
……彼との約束。
果たして僕は、このまま。
どうするつもりなんだろう。
彼を×す?*す?
*****
実はずっと温めていて、こういうお話をやっとうpする勇気が出たので書いた。
私はきっと選択肢を間違えたんだ
組織は置いておいて←()
シャギルちゃんに話しかければ良かった
私はなんて馬鹿なのだろう!((
女の子は対象外ですかねシャギルちゃん…((おい
新たな服wwwそれで満たされるのなら構わないさwww
私はシャギルちゃんの為なら幸福になれる委員会だって!((黙
お友達を作りたくないと感じてるみたいなので、気軽に話しかけてもらえるとそれなりに心開くと思います
過去に踏み込んだ話はNGですがwww
金巻き上げてすってんてんにしようとしてますからね……次来た時は新しい服着てると思いますwww
あざまーす!!wwww
硬そうですよねぇ…
うちの子で解放出来ないとしても、その
お手伝いはしたいなぁ
男引っ掛けwwww シャギルちゃんやりおるww←
応援!?バリバリしますよ!!←
シャギルはねぇ……タフガールですよ(何
是非絡んでやってください!今から男引っ掛けに行こうとしてるので!←
身体だけの関係から開放されて欲しいです
我ながらまた不憫な子を……
応援お願いします!!(
これ見て余計気になってきました
今度絡んでみようかな…←
一緒に幸せだと思える人とまた出会えますように…
というより私は早くあの二人はくっつけばいいと((ry←
ダメよ調子に乗るからwww殺されるからwww
そう、なんかありそうな話、が今回はモチーフかな~
書いてて辛くなって最後の方は文章が短いっていう←
幸せにしてあげてね……!偽りでもいいから!()
心からの愛かもん!
もの凄く色々なものを買い与え甘やかしたくなった。
辛いな。
なんか本当にありそうな話しだから余計に。
幸せになってくれー。