Nicotto Town


のらりくらり。


おかしな話を、してみようか。


この間、俺がふと考えた、小さな小さな、
人によってはどうでも良い話。


去年、俺の祖父が亡くなった。
クリスマスの日の、朝だった。

そしてこの間、少し早いけど、祖父の1周忌を行った。
その時俺は相変わらず『もう1年経ったのか。』
そう思った。

だけど、経を唱えてもらって、お焼香もやって、
親族一同で献杯してご飯を食べよう。そんな時だった。
献杯のとき、叔母が気付いた。

じいちゃんの位牌の前に、飲み物が置いてなかったらしい。

そこで気付いて、慌てて飲み物を置いて、一通り会食的なものが終わった。
さぁ引き上げよう、というそのときに、次はばあちゃんが、
じいちゃんの位牌を持って帰るのを忘れそうになった。
ばあちゃんに抜けてるところがあるとしても、俺はやっぱり、思わずには居られなかった。


あぁ、やっぱ人間、存在がないとすぐに忘れられるものか。


帰り際、ばあちゃんが忘れ事をして俺が位牌を預かっている間、
俺は無意識のうちか、風呂敷で包まれた位牌を撫でてた。
大丈夫、俺はきっと、生きてた頃の、元気だったじいちゃんを忘れない。




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