Nicotto Town



したたかさ

○に近い△を生きる
 鎌田 實
  ポプラ新書


「○」か「×」という二者択一ではなく、その間の「△」を見つけるようにしようというもの。
無論、「△」は一つだけでなく、無数にある。


二者択一というのは、単純で分かりやすいが、反面、単純化しすぎて、様々な考え方があるのを切り捨ててしまう。


以前、流行した「勝ち組」「負け組」という言葉がその典型。


ある点では「勝ち」で、別の点では「負け」であったとしても、その微妙な凸凹は無視して、「勝ち組」「負け組」の2種類しか存在しないかのように扱うのには、当時、違和感を覚えた。

それ以前に「勝ち組」「負け組」の定義が分からなかったが・・・。


二者択一の論法は、様々な考え方を切り捨てている、という事を承知の上で、「悪用」している人も多い。
なので、やたらとこの論法を振り回す人は疑ってかかる事にしている。


閑話休題


「○」あるいは「×」と主張を掲げて、ブレない事はカッコいいし、「△」は(悪い意味での)「妥協」に見えて、冴えないように見える。


だが、見方を変えれば、「○」か「×」かのみしか考えないのは、一種の「原理主義」で柔軟性に欠ける
主張が全部通らないとダメ、とするのではなく、それに近い「△」(本書では「別解」とも呼ぶ)を求める発想が大切だ、と著者は言う。


以前、新聞記事か何かで
「決めるなら、さっさと決めてくれ。ただし、自分にとって都合のいいように。」
と考える人が多い、という記事を読んだ事がある。


確かにそんな感じの人が多い気がする。
難しい言葉を使えば、「原理主義」的な考え方がはびこっている、となるが、平たく言えば、おもちゃ売り場の前で駄々をこねる子供と変わらない、とも言える。


少しでも自分の主張を潜り込ませようという「したたかさ」は、どこかに旅に出てしまったのか。


国会でさえ「おもちゃ売り場の前の駄々っ子」式の「議論」が多いというのは・・・。
(そういう点ばかり報道されているせいなのかもしれないが)


では、どうすれば「別解」を見つけられるか、となると本書は、急に個別事例の紹介になったり、やたらと抽象的だったりする。
中にはあまり関係ないのでは、と思えるような話も混ざったりするのは、ご愛嬌。


ただ、
「○」または「×」一辺倒ではなく、99%自分の主張を大事にしながら、1%は他人の主張を大事にする
という言葉は印象に残った。


1%くらいなら、我の強い人でも実践できるだろう、という事だが、「形式」だけそうする人がいそうだ。
某国の総理大臣のように・・・。

アバター
2014/01/11 09:36
一時期、「ブレない」という言葉が某業界で流行りました。(今も?)

その時も、今も
「ブレない」=「なにがなんでも意見を変えない」
という風にしか聞こえませんでした。
アバター
2014/01/08 02:10
禍転じて福と為り、福転じて禍と為る。
何が黒で、何が白なんて、如何様にも流転しますわ。

灰色の立場を取り続けましょう~~~(笑)。




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