Nicotto Town



物語と恋愛感情


恋愛って不思議
頭ではこいつ大嫌い
なんでこんな奴と相性がいいんだろうって思う

若い時だったら一目ぼれっていうやつかもしれないと
鼻でせせら笑っていた

性別役割分業思想でもあり婚姻届による結婚をしている男
それがなぜだめなの?普通でしょ?
と思い込んでいる頑固な男
なんで電話をかけてくるのよ!
わたしはね、性差別撤廃と婚姻届の家族身分制をなくそうとしている人間なのよ
基本的なところで全く違うんだから電話かけてこないでよ!
腹立つのになんの用事もないのに
受話器を置く時間が遅くなる
グループ研修ででかけた箱根で山から湧き出る白い雲を
二人で見つめている瞬間に安らぎを感じる自分

こりゃいかん!
自分はいったいどうなっているんだ?
自分の中の何がこの男を惹きつけるんだ
いいや
この男が好きっていう自分の部分ってなんなんだ?

「自分」を探して
そして
行き当った「自分」
父が好きっていう幼い自分が泣いている
たくさんの人の群れの中から
父の額にかかったウエーブの前髪が見えたときの
あの安堵感や喜び
ああ、この気持ちだったんだ
父によく似たウエーブ
中肉中背で少し猫背で
決して笑わず、怒り世をすねた表情
・・・口癖・・・ぼくは世を捨てたんだ
・・・人を見るときの冷たく哀しいまなざし

けど
この男性ーひとーは今の私には似合わない
自分に合う人間ーひとーではない
そう解っているのに
惹かれている「自分」

そういう自分に驚いた
人は見た目じゃない
性差別撤廃を積極的に行動できる人
そうでなければ恋の感情は湧いてくるはずがないと思いこんでいた

それが・・・どうだろう
父に似ているという見た目と
性差別社会の権化のような
こんな男に安堵感?喜び?安らぎですって?
いったい何を考えているのよ私は?

自分を変えた
変質させた
親から得た「自分」を超えて
自分自身が気付いて自分が築き上げてきた
自分に合う自分に変えた
自分に対する信頼を手に入れるチャンスだった

自分の内なる「これまでの自分」との対話から見えてきたものは
母親からの精神的虐待だった
離婚した夫からの性差別だった
ああ、幼いわたしはきっと父親に保護されたいという
追い込まれた自分を守らなければ生きてこれなかったんだ
手帳を見直して驚いた
自分の手帳に電話番号のある男性は
恋愛感情と関係なくすべての男性が
ウエーブを持った髪
中肉中背

好きだけどね
あなたは私の父に似ているからなのよ
今をいっしょに生きる人ではないの
だって過去の人間関係で
今のわたしには必要のないものだから
第一、自分が結婚していることをわたしに話してどうする気?
あなたの結婚はあなたの問題で
わたしの問題ではない

さよなら
お父さんの幻影







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