友よ、泣くな。
- カテゴリ:仕事
- 2014/02/17 11:13:10
深夜、数年ぶりに、友人の声を聞きました。
相変わらず、おっとりさんで、
笑顔の垣間見えるような優しい声は、
何年と話し合っていなかったことを、忘れさせてくれます。
彼女は・・・
鈍くさくて、何をやってもスロウ。
その、相槌一つが、ピンぼけているので、
いつも、わたしはイライラさせられていたものです。
要領が悪く、貧乏くじばかり引き、
64歳にもなるというのに、
長年住んだ近所からも、陰湿ないじめを受け、
亡くなったお父さんが植えた、
大切な桜の樹も、近所の人に切り倒されてしまったくらいです。
長年勤めあげた銀行も、
ていよくリストラされ、
リストラされた挙句に、
同じ場所、同じ仕事をパートタイムでやらされて、
週2日勤務に縛られていました。
挙句の果て、わたしが渡米している間に
癌で入院、手術をし、
今は経過を見ていますが、
今度はスーパーのパートに変わっていて、
時給800円では、医療費が賄いきれません。
わたしが傍にいる間は、
よく食事に付き合わせたものですが、
ある日、彼女は、わたしにお礼がしたいからと、
手作りの夕食に呼んでくれたのです。
「今日は、ちらし寿司をつくるのよ」
わたしは、今でも、
そのちらし寿司が忘れられません。
白いゴハンの合間に、
パラパラと小さな紅色の破片が見える、
焼いた鮭のほぐし身の入ったちらし寿司。
鮭以外には、酢飯の味しかしない、
悲しいほど美味しいちらし寿司。
「ごめんなさい。何も他に入れられなくて」
申し訳なさそうに笑う彼女の後ろに、
ちぎれた鮭の皮をむさぼるように食べる猫が一匹。
彼女は、その人生を、
自分の病気と、全盲の弟を助けること、両親の死を看取ることで、
そのおおかたを費やしてしまいました。
両親が残した小さな家がアダとなり、
彼女は、生活保護を受けることもできなかったのです。
何とかしなければ。
何とかしなければ。
あんな、ドンくさい友達は、
このまま放っておくことはできないから、
何とか、してあげなくてはならないのです。
彼女の、あのおっとりした、
ちょっと間の抜けた笑顔を、
心配のない、お金の苦労のない、
平和な時間の流れを感じることのできる日常に中に、
置いてあげることができるように。
(追加、猫と。)
何とかする。
わたしが何とかする。
あんたのちらし寿司の、紅色の鮭の身が、
あれ以上少なくなることの無いように、
わたしが,何とかする。
この友人のことを考えていて、
後篇で書いた「腐ってしまった友人」を、
思い出さないわけにはいかなくなったのです。
全然似ていない二人ですが、
ほんとうの意味で、人を助けるということが、
どんなに難しいか。
悩んでしまいます。
はなこさんが、そう思ってくれているのが、彼女の幸せの1つだと思います^^
一番たちが悪いのは、欲深く、何でも人のせいにする人間だと思います^^;
この人にばかり?」 と聞きたくなるくらい貧乏クジ人生の方って
いますね。
でも彼女はまだはなこさんという友人がいるだけ幸せかもしれません、
もう60過ぎの彼女、残りの人生を今よりも豊かに過ごせるように
助けてあげてください。
すずきはなこさんの力で幸せにしてあげてください。