夜の旅
- カテゴリ:小説/詩
- 2014/03/14 08:28:49
真夜中のハイウェイ
誘われるままに
車に乗り込んで
あなたとひた走る
道路を照らす
光をすり抜けるように
どこまでもどこまでも
無言のまま
じっと前を向くあなた
私の瞳も
じっと前を向く
心はあなたの方へ
真夜中のカフェ
ちょっとした休息
そっと手を伸ばせば
あなたの手が重なる
流れ込んでくるのは
愛情なのか
今はそう思いたい
二人だけの沈黙
あてもない旅だけど
あなたといることが嬉しい
誘ってくれたのが嬉しい
私を選んでくれたのが嬉しい
沈黙の旅だけど
あなたの声を探してみる
愛してるって言ってくれても
それはあなたらしくない
愛してるっていうのは
私も同じ
声には出せないけど
いつか伝えたい
ひた走るハイウェイ
海岸線で車を止めて
海を眺める
聞こえるのは波の音だけ
引いては返す波
不動のものなどない
でもこの愛だけは
決して動いては行かない
「もう行こう」
やっとあなたが声を出す
手を取って立ってくれる
そのぬくもりが嬉しい
街に帰るハイウェイ
現実に戻って行く
ただ変わらないのは
お互いに交わす愛情だけ
いつかやって来る日を待ちながら
こんな風に過ごすのだろう
それでもいい
あなたらしさを忘れなければ
別れがくるとしても
この日は忘れない
それでもいい
あなたらしさを忘れなければ