花弁
- カテゴリ:小説/詩
- 2014/04/02 13:35:16
チューリップの中のお姫様
小さなちさなお姫様
見つけるのは誰だろう
チョウチョウか 蜂だろうか
つぼみが段々膨らんで
華やかに花弁を開いて行く
春の陽気を一身に受けて
雄蕊雌蕊まて覗きこめる
じっと待ったこの季節
冬の間も根を張って
春を待っていたこの花は
今を盛りにと咲いている
じっと待っていたのは
チューリップだけじゃない
私の心も春が来て
膨らんで行くのが実感る
親指姫に似せてに似せて
あなたが覗きこんだら
そこには私の姿が
見えるかもしれない
摘みとってくれるだろか
抱いてくれるだろうか
過ぎゆくだけだろうか
ここに私がいるのに
一歩踏み出そう
その気持ちが重い
春の風を受けながら
花弁と共に飛ばせていく
その花びらが
あなたの肩にとまったら
なんて幸せなんだろう
言葉はもういらない
あなたの方で眠りたい
いつまでもいつまでも
肩の花びらに気づくまで
そっと乗り続けていたい
お願いだから
花弁を振らないで
私がそこにいるから
あなたの側いにいるから
あなたの心にしみ入れたら
どんなにかいいだろう
そんなことを夢見る
私はひとひらの花びら