ドラマ【ロング・グッドバイ】
- カテゴリ:テレビ
- 2014/04/23 16:57:59
【感想】古い映画を見たような感覚。公式サイトには「無国籍に」「時代を超えろ」「毒と不純物を盛り込め」というキーワードで作られたと書いてありますが、時代は昭和20年代、場所は間違いなく日本とわかりますw この時代、まだまだ日本は発展する前で、日本の風習を色濃く引きずっていましたが、一部都会ではどんどんアメリカの文化を取り入れ、どこの国かと思うような洋風の地域もあったんでしょうね。その点、大正時代にちょっと似ているような気がします。ちなみに原作はレイモンド・チャンドラーのロング・グッドバイ。日本語に訳した「長いお別れ」というタイトルもあります。ハード・ボイルドの代名詞とでも言うべき、探偵フィリップ・マーロウをこの世に送り出した作品という意味では、ハードボイルドの金字塔と言えるかもしれません。で、この原作が書かれたのが1953年ですので、恐らくちょうどドラマの時代と同じですね。1973年にアメリカで映画化されていますが、その時は70年代にアレンジされていたようです。しかし時代が同じとはいえ、場所がアメリカと日本ではかなり環境が違うので、スタッフも苦労しただろうなぁと思います。しかし出来上がったものを見ると、そう不自然ではない。スタッフの努力もあるでしょうが、やはり浅野忠信という特殊な俳優の存在も大きいように思います。ドラマ好きの方ならご存知でしょうが、彼は滅多にテレビドラマには出ない、映画俳優です。出てもちょっとだけ出る印象的な所謂カメオ出演が多く、連ドラの主演ってこれが初めてじゃないでしょうかね? よく引っ張り出せたなぁと思います。視聴率がすべての民放ドラマと違い、落ち着きのある画面が作れるNHKのドラマだからこそ、彼の個性が引き出せるんじゃないかなと思います。しかし調べてみてびっくり。まだ40なんですねw もうちょっといってるかと思ってた。40代半ばで彼より若く見える俳優さんなんてたくさんいますよ。ちなみにアメリカとのクォーターなんですね。そうは見えませんけどねw で、内容の方ですが、1時間かけたとは思えないくらい、進み方が遅いw まとめると、探偵が出会った男が、女優の前妻と復縁、彼女が何者かに殺され、その日男が探偵の元に逃げてきた。逃亡幇助で探偵は捕まるが、男は逃亡先の台湾で罪を告白した遺書を残して自殺した。財界の大物である女優の父親が事件に関わってそう。というところでしょうか。後半に立て続けに展開しましたが、前半30分は実にまったりじっくり、磐二と保の出会いと、男の友情が育まれていく様子を描いてました。これ、ほんまに事件なんか起きるんかいなって感じで。豪華キャストもほとんど最後の10分くらいでずらっと出てきましたね。これが2サスだったら、枠の関係もあるでしょうけど、最初の2~30分くらいに詰め込んでますねw しかしこのドラマは、事件よりも雰囲気を楽しむドラマなので、このまったり感は必要なのだと思います。ハードボイルドとまったりってあまり似合いませんが、このまったりがあるからこそ、キャラクターが生きてくるんですよね。そしてこのドラマ、MOZUと同様タバコを吸うシーンが多いですw 「毒と不純物を盛り込め」だからでしょうかね。ハードボイルドとタバコは切っても切れない関係のようです。こういうドラマが放映されると、禁煙団体がうるさそうですが、テレビや映画でタバコを吸うシーンを見て、「かっこいい」と思って吸い始める人もいるでしょうから、苦情も仕方ないと思います。でもやっぱりうるさいものはうるさいですね。