Nicotto Town



動物マニア

ヒト、動物に会う
 小林朋道
  新潮新書


動物行動学者の著者が研究のために触れ合った動物達とのエピソードを紹介するもの。
ただ、多くの場合、「研究」というのは、名目で動物達に対する好奇心が、なによりまず第一にあるように感じる。


まあ、そうでなければ、動物行動学という学問を専門にしたりしないだろうが・・・。


「動物行動学」というと、「コンラート・ローレンツ博士」の名前が思い浮かぶ。
(・・・というか、とっさに名前が出てくる人は、この人しかいない。)


その著書の中に「人イヌに会う」という本がある。
本書を初めて見た時、タイトルは、この本のパロディかと思ったが、「はじめに」の所で、"意識したものである。"と書いてあった。
いち早く気付いた、と思っただけに、ぬか喜びだった。


取り上げられているエピソードは、学問的な内容は少なく、こぼれ話的な内容が多い。


個人的なお気に入りは
「自転車にからまっていたカラスの話」
「プレーリードッグに家の壁を破壊された話」
「飛べなくなったドバトの世話をした話」

の3編。


よくぞ、ここまでやれるな、と思わせるエピソードばかり。
そういえば、コンラート・ローレンツ博士の「ソロモンの指環」にも似たような話が多かった。


動物を相手にする学問だと、人の世界の感覚とはずれてきてしまうのだろうか。


ところで、本書を読んでいると、動物達は決して、本能だけで生きているわけではない、と思うことができる。
動物達が認識している世界は、人間とは、かなり異なるものだろうが・・・。
一度でいいから、少しでいいから、覗いてみたい。

アバター
2014/04/29 11:11
シートン動物記の方は、生活に密着していた感じがありますね。
アバター
2014/04/27 21:52
シートン動物記にも、そんなお話が多いです~。

本能は人間にもありますもの・・。
人間に本能がなければ、人工知能のような無味乾燥な存在。
本能があってこそ、人間のドラマがありますわ。



月別アーカイブ

2024

2023

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011


Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.