動物マニア
- カテゴリ:日記
- 2014/04/27 11:52:32
ヒト、動物に会う
小林朋道
新潮新書
動物行動学者の著者が研究のために触れ合った動物達とのエピソードを紹介するもの。
ただ、多くの場合、「研究」というのは、名目で動物達に対する好奇心が、なによりまず第一にあるように感じる。
まあ、そうでなければ、動物行動学という学問を専門にしたりしないだろうが・・・。
「動物行動学」というと、「コンラート・ローレンツ博士」の名前が思い浮かぶ。
(・・・というか、とっさに名前が出てくる人は、この人しかいない。)
その著書の中に「人イヌに会う」という本がある。
本書を初めて見た時、タイトルは、この本のパロディかと思ったが、「はじめに」の所で、"意識したものである。"と書いてあった。
いち早く気付いた、と思っただけに、ぬか喜びだった。
取り上げられているエピソードは、学問的な内容は少なく、こぼれ話的な内容が多い。
個人的なお気に入りは
「自転車にからまっていたカラスの話」
「プレーリードッグに家の壁を破壊された話」
「飛べなくなったドバトの世話をした話」
の3編。
よくぞ、ここまでやれるな、と思わせるエピソードばかり。
そういえば、コンラート・ローレンツ博士の「ソロモンの指環」にも似たような話が多かった。
動物を相手にする学問だと、人の世界の感覚とはずれてきてしまうのだろうか。
ところで、本書を読んでいると、動物達は決して、本能だけで生きているわけではない、と思うことができる。
動物達が認識している世界は、人間とは、かなり異なるものだろうが・・・。
一度でいいから、少しでいいから、覗いてみたい。
本能は人間にもありますもの・・。
人間に本能がなければ、人工知能のような無味乾燥な存在。
本能があってこそ、人間のドラマがありますわ。