ドラマ【軍師官兵衛】
- カテゴリ:テレビ
- 2014/05/05 17:32:29
軍師官兵衛
NHK 日曜夜8時~
【あらすじ】官兵衛と秀吉は、敵対する三木城を厳重に囲い込み、兵糧を断つ戦法に出た。さらに毛利の反撃を封じるために、官兵衛は宇喜多直家の調略を試み、岡山を訪れる。しかし直家は相変わらず織田にも毛利にもつく気はないと言い、官兵衛に「背後に用心しろ」と忠告する。その言葉に、官兵衛は小寺政職を思い浮かべるが、職隆が様子を見に行った限り、政職はおこんの死に衝撃を受け腑抜け状態になっており、離反どころではない様子だった。
【感想】今回は、村重が謀反に走った理由を、丁寧に描いてましたね。実際村重が何故謀反を起こしたのか、決定的な理由は謎とされています。ただ、石山本願寺に兵糧を提供したという噂が流れたとか、神吉城の攻城戦で神吉藤太夫を助命したとか、ドラマにあったような内容が、逸話として残っているのは確かなようです。そして、茨木城城主の中川清秀にそそのかされたのが決定打となったのも、確かなようですね。この中川と、キリシタン大名として有名な高山右近は、いとこ同士だったようです。そしてそれぞれが城持ち大名であり、信長より摂津の国主に任ぜられた村重に従属関係を結んでいました。このあたり、小寺と黒田や櫛橋の関係に似ていますね。つまり今回は、かなり史実に忠実な筋立てでありながら、村重の焦燥からの裏切りを、じっくり描いていたと思います。新参ながらも信長の信頼篤く、常に最前線で戦ってきた村重。信長の激しい気性や、残酷さを一番身に沁みて理解していた立場にあったと思います。その牙を自分に剥いた時の恐ろしさをひしひしと感じていたことでしょう。古参の武将のほどの信頼はなく、秀吉のような愛嬌もない。戦での度胸はあるものの、内側からチクチク攻められるような精神攻撃には弱かったのかもしれないですね。また、この中川清秀が、毛利や本願寺サイドから見れば、グッジョブですよw 村重の謀反の戦犯はこいつだってなくらい。ひょっとして、本願寺と通じていたのか?と思ったんですが、どうもその後の行動を見ていると、そうでもなさそうです。それはまぁ、後日のドラマに任せるとして(やるかどうかは知りませんが)。さて、以前にも書きましたが、このドラマではどうしても村重を牢人からの成り上がり者として描きたいようで、今回も信長が牢人から取り立てたと発言していましたが、実際は牢人ではありませんでした。ここで少しまとめておきますと、生まれは摂津池田城の城主・池田家の家臣・荒木家の嫡男として生まれ、最初は池田勝正の家臣として仕え、一族の娘を娶り池田家の一族衆となるも、三好三人衆の調略で三好家に寝返り、池田家を掌握します。その後、主君を三好家から織田家移し(これが例の刀に刺した餅を食べるところですね)、茨木城→伊丹城(有岡城)の城主となっています。まったく牢人である隙がないですね。何故彼を牢人として設定したのか、まったくの謎ですが、理由があるとすれば、人物関係を簡易にすること、でしょうか。牢人とすることで、池田家や三好三人衆とのゴタゴタをストーリーに持ち込まずにすみますし、元々調略したりされたりしてきた人物と、一介の浪人から信長に認められ取り立てられた人物とでは、裏切った時の意外性がまったく違いますからね。今までにも明らかに史実と違う設定がいくつか見受けられましたが、その中でも有名な武将である村重の設定改変は、一番問題がある気がします。
初めまして、でしょうか?
コメントありがとうございます。
ドラマでも映画でも、よく史実や原作を無視したストーリーを作ることがあり、
それはよりドラマチックにするためとか、わかりやすくするためとか、
制作側の意図があることは理解しているつもりです。
しかしこと大河は、史実と違うストーリーを放映すると、
歴史マニアや関係者からの突き上げが激しく、
そのことだけでダメな大河だと決め付ける人もいて、
そういうムーブメントが視聴率の低下を招いてしまうこともあるので、
史実と違うストーリーにするからには、しなければならなかったと
納得するだけの理由もストーリーに盛り込んでほしいと思っています。
これからに期待、ということですね。
洞察力に関してはどうなのでしょう…。
あまり頭から信じない方がいいとされているwikipediaなどを見て知った
付け焼刃の知識であれこれ書いてますから、
あまり詳しい人に見られると恥ずかしかったりもするのですがw
荒木村重の牢人は確かに無理がありますよね。
その設定にする方が信長が門閥に捉われない人事を行ったことを強調できるとか
村重が何故、謀反を起こすに至ったかや
官兵衛幽閉時の心情をドラマチックに描けると言った
演出上の思惑があるのかもしれません。
これから官兵衛がどんな感じで中央に出て行くのかが楽しみです。
miumiu さんは洞察が素晴らしいですね。感服してしまいました。
後の人生にまで影を落とした事件ですから、
村重の人となりからじっくり描いたのでしょうね。
家中に本願寺門徒がいたことも、寝返りの1つの理由となったのかもしれません。
実は石山本願寺(正しくは大坂本願寺)の焼け跡が大坂城とその城下町の敷地となり、
その地形から大坂という地名ができたことは、あまり知られていませんよね。
摂津はその大坂本願寺のまさにお膝元でもあったので、
多くの門徒を抱えていたと想像がつきますし、信長がキリスト教の布教を許したのも、
少しでも本願寺門徒を減らしたいという意図があったからとも言われています。
実際、ここ広島でもいまだに浄土真宗の家が多いです。
特に農家はほぼ浄土真宗と言っても過言ではないでしょう。
日本は宗教に寛容な国家と言われますが、そうでもない時代があったのですね。
中川の一言が村重の決心を促したところを見ると、この裏切りは
宗教の影響が大きいと見ることもできそうです。
でも、村重が何故に裏切るに至ったかの、心の機微を、細かく描いてますよね。
無理のない展開で、共感出来る部分もあります。
村重が信長を裏切った理由は、いまだ謎でしょうが、幾つもの条件が重なった結果の、
合わせ技かなと思いつつ、ドラマを見てました。
精神面での葛藤とか、まあ、いろいろあったのでしょうが、本能寺の変を引き起こした
のちの明智光秀を、つい、脳裏に浮かべてしまいましたね。