変えますか?
- カテゴリ:日記
- 2014/05/05 19:17:12
9条どうでしょう
内田樹 小山田隆 平川克美 町山智浩
ちくま文庫
ここ数年、憲法についての話題になる事が多い。
そのため、毎年、この時期、憲法に関する本を読む事が恒例となりつつある。
今年、読んだのは内田樹と、彼が選んだ3人が語る憲法9条を中心とした憲法論である本書。
「虎の尾を踏むのを恐れない」という触れ込みだが、主に踏んでいるのは改憲派の「尾」
4人に共通しているのは「なにがなんでも憲法を守れ」と言っているわけではない、と言う点。
「変えてもいいけど、なぜ今、変えなければならないのか?」という点が根底で共通している。
自分が分からない点もまさにそこだった。
結局のところ、改憲派の人は「変える事」が自己目的化しているような気がする。
突き詰めると「自主憲法を制定した」という事実を作って、自分のプライドを満たそうとしているだけでは?
今の憲法を根本的に変えたとして、何を目指すのか?
なんだかんだ理屈はこねても、「平和国家」という看板は降ろさない(まさか憲法で「侵略国家」を掲げよう、という人はいないだろう)から、結局、9条がジャマなのだろう。
9条を無くす事で「普通の国」になる、と言う人もいる。
が、「普通の国」とは他国と戦争する事もできる、という意味になる。
そういう覚悟を持った上で主張しているのかは、はなはだ疑問。
自分だけは安全な所にいる、という前提でモノを言っている気がしてならない。
(特に政治家は安全な場所にいる充分な理由があるから)
本書の中では、町山智浩氏が最後にこう語っていたのが印象に残る。
「そんなに軍隊を持ちたいなら持てばいいが、その場合は自分もちゃんと兵隊やれ」
(外国では職業軍人に軍隊を独占させるのは危険なので、国民皆兵制を敷いている国もあるらしい)
改憲派の人たちは、どう答えるだろうか。
この本を買ったのは偶然からでしたが、このテーマだと、「護憲か、改憲か」の二択の本が多いなか、毛色が変わっていてよかったです。
>カトリーヌさん
本当だとしたら、「ニッポン大好き!」と叫んでいる張本人が外国のいいなりになっている、という面白い図式ができますね。
”日本国憲法、そろそろ改正しろよ~。特に9条~。”
と言われ、
日本の政治家さんは、米国の東部保守本流から、
しつこく催促されているに違いありませんわ(笑)。
守れ!でもなく、変えろ!でもない、別の道があると教えてもらった本です。