Nicotto Town



嗚呼 カン違い

青年の履歴書の趣味欄にギター・音楽鑑賞(カン)と書いてあった。
ほほう! そのとき面接担当は私だけ、すかさず雑談にもちこむ。

「お若いのにカン聴く方は珍しいですね。どのあたりが好きですか?」

「わりと最近のヤツです。車で聴いてたら好きになって」

「私は昔のほうが好きなんですが、アルバムだとどれを聴きます?」

「いえ、DLとか友達から借りたりしてるんでアルバム名はちょっと……」

「ギターも弾くんですね。カンの曲を弾くんですか?」

「家でちょっと合わせて歌ったりしてます。歌詞とかけっこう好きで……」

……話しているうちに気づく。彼の好きなのは『KAN』という日本の歌手だ。
無知な私も一応知ってる。カラオケデータを作ったこともあったはず。
ひきつる笑顔で会話を続けながら背中に冷や汗、ちなみに採用とさせていただきました。

偏狭な私の音楽鑑賞においてカンといったら、
1968年にドイツでデビューした伝説のバンド、CANしかありゃしません。
ホルガー・シューカイ、イルミン・シュミット、ヤキ・リーベツァイト、ミヒャエル・カローリに
マルコム・ムーニーやダモ鈴木のハイパーヴォイスが乗っかる真のプログレバンド。

ファーストアルバムの『ユー・ドゥー・ライト』なんか何十回聴いたことか。
オマエを捨てた女を追いかけアヤめてしまえという呪詛が30分近く続く。
こんなトンデモ曲を愛唱歌にしてるのは国内でオレくらいだ。
青年よ、スマナかった誤解して。KANを愛する君には明るい未来が待っている。

7年ほど前の実話、バンドマン仲間に話すたび爆笑されます。
「カンと言われてCANしか脳内に浮かばないオマエが異常なのだ」と。嗚呼。

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2014/05/10 19:16
CANは知らなかったです。
KANはsongwriterという曲が好きです。



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