ドラマ【軍師官兵衛】
- カテゴリ:テレビ
- 2014/05/12 16:50:01
【感想】さて、官兵衛の前半生のクライマックス、始まりましたね~。まぁこれからしばらくの間、主人公が土牢に閉じ込められるという、あまり動きのない映像が続きますが、周囲の動きは実にドラマチックだったので、それをいかに描いてくれるかが楽しみですね。今回の一番のキモ、サブタイにもなった「非情の罠」とは、なんと小寺政職による官兵衛への裏切りでした。政職がついに織田を裏切ったという報せを受けた官兵衛は、政職を訪ね翻意を促しますが、政職はいつものようにのらりくらりと応対、最後には官兵衛の言うことを受け入れ、官兵衛が村重を説得できれば自分も謀反はやめると約束しました。しかしこの後何があったのか知りませんが、官兵衛がそちらに向かったので殺してくれという密書を村重に送ったとのこと。まぁこれは間違いなく創作ですね。そこまでわかってはいないと思います。なのでここで政職の心情をいろいろ考えても、史実上という意味では無駄ではありますが、ドラマを見ただけでは舌足らずのところがあったので、少し書き加えておきましょう。まず官兵衛が御着を訪ね村重を説得しに行くと言った時に、政職は村重に官兵衛を殺してもらう計画を思いついたと考えられます。何故ならそれより前に官兵衛が村重のところに行くことを知ることは出来なかったし、官兵衛が御着を去る時、政職がニヤリとしたのは、この暗殺計画を思いついたしるしだと思います。ドラマではよくこういう手法が使われますよね。ではなぜ政職はその時官兵衛を捕まえ殺害しなかったのか。それは恐らく、隠居の身とは言え姫路を守る職隆と黒田家の手勢を看過できなかったからだと思います。今はまだ敵対しているとはいえ、戦っていいものやらわからないでいる黒田家の家臣たちが、主君を殺されたと知れば、すぐにでも襲ってきても不思議はないですからね。このへんはさすが戦国を生き抜いてきた武将だなと思います。ただ、それまで官兵衛にある程度理解を示し、織田方についたのも官兵衛の意見を取り入れたからだった政職が、ここまで露骨に官兵衛に殺意を向けたのは、ちょっと不自然な気がしますね。やはりおこんを亡くして正常な判断ができなくなっていたのかもしれません。また、この裏切りを考えると、以前斎を人質として差し出すのを頑なに拒んだのは、あの時からずっと織田方への不信と毛利方へのこだわりがあったのかなと思いました。村重から政職の密書を見せられ、二の句が告げられなくなった官兵衛。自身が清廉な性格をしているせいか、まだまだ軍師としての洞察力は育ちきっているとは言えません。しかしこの裏切りを体験し、土牢の中でいろいろ考える時間をたっぷり与えられ、牢から出る頃には、肉体的には多大なダメージを受けながらも、精神的には成長するものと思われます。しばらくは周囲のゴタゴタと、官兵衛の懊悩する様子を充分に堪能することにしましょう。
私はそういう細かいことが気になってしまうタチなので(鈍いところもありますがw)
気づいた時には、自分なりにいろいろ解釈してみます。
だから逆にミステリーとかだと、手がかりとして提示された齟齬を、
自分なりに解釈して手がかりとして見なさなかったなんてこともありますがw
主役が投獄という、ドラマでは珍しい展開ですが、
外で起きるゴタゴタもいろいろとあったようなので、どう見せてくるか楽しみですね。
官兵衛が年単位で幽閉された時、小さな明かり窓から見える空を見ては
希望を繋いだと、最近の新聞に書いてあったように思います。
これから、どのような展開と成長を見せて行くか……楽しみです。