Nicotto Town



振り返れば奴がいる・・・か?

サードマン 奇跡の生還へ導く人
 ジョン・ガイガー
 伊豆原弓 訳


「サードマン現象」
山での遭難、海難事故、災害などで極限状況に追い込まれた人が、しばしば体験する現象。
いるはずのない第三者の幻覚(存在するという感覚だけ、または声だけの時も)が現れ、奇跡の生還に導いてくれる、という。


ただ、サードマンが現れたとしても、必ず助かる訳ではない
なぜなら、生きて帰ってきた人からは、サードマンの話を聞けるが、死んでしまった人からは話は聞けないから。
つまり、証言は生還した側に偏っているのだ。


オカルト信者なら、即、神サマ(もしくは、それに近い存在)のおかげ、という説明にするだろう。
が、著者は、そのような主張とは、あくまで一線を画す。

生き抜こうとする強い意志や、外的要因(ストレス、酸素不足、低体温など)が組み合わさった結果、自分の脳がサードマンを作り出しているのではないか、というのが基本的なスタンス。
(ただし、本書では原因の特定までは至っていないが・・・。)


それを裏付けるように、(少なくとも本書で紹介されている事例では)サードマンは物理的に助ける事はしないし、話したとしても、「頑張れ」など、励ましの言葉をかけるだけ。

稀に具体的な指示をする例もあるが、後から考えれば、その内容は当事者が知っている事であったりする。


本書で紹介されている事例は、ほとんどが「ただ、そこにいる」だけ。
当事者の方が勝手に「救済者」「守護者」と思い込んでいるだけなのだ。


それだけの事。


それだけの事にも関わらず、人間は
「自分は一人ではない、という感覚」

「自分以上の存在が見守っている感覚」
がある、というだけで、「生きる力」を取り戻すことができる。


一種の「偽薬効果」と言ってもいいかもしれない。
脳にそんな仕組みがある、というのも驚きだが、人間にとって「社会性」が、これほどまでに重要だ、という事にも驚く。


ただ、なによりサードマンが出てくるような状況とは無縁でいたい。

アバター
2014/05/20 21:27
サードマン現象自体、原因がはっきりしていないので、
確実ではないでしょうが、多くのケースがサードマン
現象に相当するものだと思います。
アバター
2014/05/20 19:13
こんばんは
危機的状況に親しい人とりわけもう亡くなった人などが出てきて助けてくれるっていうのを聞いたことがあります。
これもサードマンだったんでしょうかね?
人間もそんな秘めたる力があるんですね~\(◎o◎)/!
アバター
2014/05/19 22:52
>カトリーヌさん
守護天使の話も出てきました。
全て、という訳ではないでしょうが、サードマン現象も含まれていると思います。

>ラムセス2世さん
「病は気から」は、文字通りの意味を持つ場合も多いそうですね。
「心」が「体」に及ぼす影響は、想像以上に大きいのでしょう。

アバター
2014/05/18 23:52
人間は孤独にはなかなか耐えられないもののようです。
視覚の発達と関連がありそうですね。
視神経と脳は直結されてますし…

「幽霊の 正体見たり 枯れ尾花」

人の心はさほど強いものではないようですが、
思いというのはなかなかに強いようです…
アバター
2014/05/18 22:04
キリスト教で言う、
各人が持っているという守護天使(ガーディアン・エンジェル)も、
サードマンの一種なのでしょうか?

宗教を信じる人が、逆境に強いわけも分かるような気がしますわ。




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