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シン・ドラマ汁


ドラマ【死神くん】

死神くん
テレビ朝日 金曜夜11時15分~
【あらすじ】寝たきりの生活を送っていた老人・佐藤留吉のもとに、死神が余命を告げに現れる。だが穏やかな暮らしを好み、欲とはまったく縁なく生活してきた留吉は、「死ぬまでにやり残したことはありますか?」という問いにも、何も特別なことを望もうとはしなかった。すると、留吉の妻・民江の前に悪魔が出現。実は夫婦にはという孫がおり、病気を患って以来一度も会っていないというに、最後に一目だけでも会いたいと留吉は切望する。そんな留吉の願いを叶えてあげたい一心で、民江悪魔の誘いに乗ってしまう。

【感想】今回は特になんということもない話でしたが、実は細かいところまでフォローが行き届いた丹念な作りでした。現実には一番多いであろう、老人の病死。人は誰でも生きたいという欲求を持っていますが、理性的には人間にはいずれ必ず死が訪れ、それをなるべく心穏やかに迎え入れたいという気持ちもあります。巷では終活なんていう言葉も流行ってますね。高齢化社会に突入し、国民の平均年齢が高齢化、テレビ番組も高齢者の興味を惹くようなものでないと視聴率が取れず、こういった若い世代の感覚から乖離したものが流行るのも当然といえば当然ですね。死神というテーマを扱うこのドラマには、避けて通れない題材でもあります。死神というファンタジックな要素で全体的にうさんくさい話にはなってましたが、あれっと思ったところがちゃんと回収されているところに丹念さを感じました。まず、息子から届いた手紙に、孫の写真が入ってましたが、普通ああいう写真は目線がカメラを向いているものですが、まるで盗撮したように、視線がよそを向いている写真だったのが最初に気になりました。そしたら案の定、まったくの他人でしたね…。佐藤誠なんて確かにありがちな名前ですが、今時の若い子はキラキラネームが多いので、10年後くらいには使えないネタになるところでしたねw また、民江にぶたれた誠の先輩が、あっさり引き下がったところも不自然に思いました。そしたらやはり、悪魔のしわざでしたね。他のドラマだと、こういうありえない展開に頼ってしまうこともあるのですが、ありえない展開にラッキーと思った矢先、実は悪魔のせいだったとどん底に突き落とされる、実に世知辛いパターンでした。このへん、さすが死神くんというか…。今回改めて思ったのですが、死神くんって特にできることってないんですよね。死んだ人の魂を天界に導くこと、任意の人間に姿を見せたり消したりできること、空を飛べること、羽に姿を変えること、このくらいですよね、死神ができることって。人を助ける能力もなければ、悪魔を撃退するような能力もない。ファンタジックな存在としては、かなり無能力と言えますw 逆に言えば、彼の仕事は舌先三寸にかかってるんですよね。営業マンと同じです。いや、どちらかというとアドバイザーとかコンサルタントとかいう仕事に似ているような気もします。本当の意味での終活コンサルタントですよね。だから、ファンタジックな能力よりも、経験とか性格とか、そういう内面が影響する仕事ですね。だからファンタジーなのに世知辛いのか…w コンサルタントには、あくまで主役は顧客であり、自分は前に出すぎず、顧客が間違った方向に行こうとしたら、無理なく軌道修正を加えるという、かなり難しい役割があると思います。大野はそのコンサルタントを、ちょうどいい感じで演じてるように思いますね。バラエティ番組におけるホストみたいなポジションですよね。




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