ドラマ【軍師官兵衛】
- カテゴリ:テレビ
- 2014/05/26 16:59:26
【感想】いや~、面白かった! 史実どうのこうの言う以前にとにかく面白かったです。なので6時からの放映を見た後、8時からまたがっつり見てしまいましたw 一応調べてはみたのですが、大体史実通りだと思うし、官兵衛が幽閉されていた時のことは、あまり詳しいことはわかっていないだろうし、今回はもうドラマに対する感想のみ書こうかと思います。まず官兵衛が幽閉されていた土牢ですが、実際背も立たない狭い場所で、ほぼ野外と同じ環境だったそうです。ここで1年生き続けたこと自体もうすごいですね。よほど頑丈な体だったのでしょう。だってトイレすらないんですからね。糞尿もその場に垂れ流しでしょうし、もちろん風呂にも入れませんし、着替えももらえないでしょうから、牢内というか牢の周囲すら臭くて近寄れないような状態だったと思います。でもって虫やら微生物やらカビやら繁殖し放題。想像を絶する世界ですよね…。それをドラマでそのまま再現するわけにはいかないでしょうけど、かなり劣悪な環境であることは伝わる映像だったと思います。そして今回のテーマの松寿丸。戦国時代に詳しい方ならここで松寿丸が半兵衛に助けられることは当然ご存知でしょうし、普通に見ていても、将来黒田長政として松坂桃李がキャスティングされているため、ここで死なないと思って見ていた方も多いでしょう。ですが、あえてそれを知らずに見たかったなぁと思うくらい、ドラマチックでしたよね。でもこれが本当にあったことなのですから、まさに事実は小説より奇なり、です。ここで私は、何故半兵衛は松寿丸を助けたんだろうと、改めて考えてみました。主な理由は2つあると思います。1つは、言うまでもないですが、官兵衛の性格からして織田を裏切ることはありえないと信じていたこと。信長は有岡城を攻めあぐねたことを、官兵衛のような有能な軍師が村重についたせいだと考えましたが、相攻めの時に官兵衛が牢の中で考えていたように、有岡城のことをよく知らないまま、怒りに任せて力ずくで攻めたため、窮鼠猫を噛むような戦況になってしまったわけですよね。半兵衛も同じく負けた理由を悟っていたものと思われます。しかし半兵衛は秀吉の家来であり、織田方の中ではさほど大きな発言権を持っているわけではありません。そして一度信長が機嫌を損ねると、理屈で説き伏せることが難しいことも知っています。なので病気で先の短い自分がすべての責めを負うことで、松寿丸を逃がそうと、その場で決意したのでしょうね。そして2つ目。繰り返しになりますが、半兵衛は自分の死期を悟っており、カリスマ性はあるものの百姓の出自である秀吉が、自分の死後どうなるかかなり心配だったと思います。そして、官兵衛のような頭がよく誠実な人物が秀吉を生涯支えてくれることを期待したと思います。私は思うのですが、半兵衛が買っていたのは、もちろん半兵衛の能力もあると思いますが、それよりも彼の誠実な性格だったのではないかと思うのです。下克上の戦国時代において、官兵衛のような誠実な性格の武将は貴重であり、尚且つ有能なら言うことはありません。ここで秀吉の家来である半兵衛が、官兵衛の嫡男の命を救えば、黒田家に大恩を売ることができます。おねを巻き込んだことで、半兵衛の死後も黒田家は絶対に秀吉を裏切ることはないと踏んだのでしょう。半兵衛が松寿丸の命を助けたことは、一見しただけでは友人への信頼や、幼子の助命など人情的な部分がクローズアップされがちかと思いますが、実は友人への義理を果たすとともに、主になかなか得がたい味方を作るという、半兵衛の生涯の中でも、かなりのグッジョブをこなしたんじゃないかと思います。
この回は初回に匹敵するくらい面白かったですね~
この場を借りて自分の感想を改めて読み直してみて訂正したいところを書いておきます。
> (半兵衛が)病気で先の短い自分がすべての責めを負うことで、
> 松寿丸を逃がそうと、その場で決意したのでしょうね。
と書きましたが、確かに決断したのはその時でしょうけど、
半兵衛のことなので、信長が松寿を殺すと言い出すことも想定内だったと思われます。
なので、官兵衛の寝返りが疑われ始めた頃から、松寿をどうするか、考えていたんでしょうね。