渦巻く嫉妬の甘き恋心
- カテゴリ:小説/詩
- 2014/05/28 23:04:02
# - 腐った水
ぬるい水が喉を通る。
空っぽになったコップから、もう水は溢れない。
*
嗚呼
こんなに傍に居るのに
貴女は私と違うのね どうして?
感じる痛みさえ飲み干して、ただ傍に居られる方法だけを考えて生きていたいの
寄る辺ない感情が溢れた夜は、貴女を想って嫉妬に狂う
鏡合わせの二人みたいに、見る夢まで一緒なのね
*
「貴女は私」
差し伸べた手が頬に触れる。
「私は貴女」
互いの頬は熱を帯びて、指先は氷のように冷たい。
黄金と青紫の目が見つめ合い、白銀と白の髪は交じり合う。
吐息のような温もりが、空洞を閉じ込めて触れ合う。
交わしあった唾液は甘く、血の味がした。
ぬめる舌の柔らかさに似て、心まで肉のように噛みちぎる。
噴き出た紅を舐めて吸うのも、まるで優しさのように溶け合った唇。
*
死なない 知らない 死ねない 知れない
こんな役立たず
息を吸うのも苦痛なの
*
「何が違うの」
奈落に堕ちた憶いを拾う。
捨てきれなかった懷いを集める。
「何も違うの」
*
貴女の琥珀色の目が欲しい
綺麗な目
愛されている者の目
愛している者の目
二人で分けて半分こね
*
「少しだけ」
投げ出された手と手が絡み合う。
琥珀色の目。
私と一緒、どこも見てない。
怯えた目。
震える瞳孔。
潤んだ瞳。
笑う口元。
「交換してあげる」
*****
あ^~