赤目で見つけてみせるから。Ⅱ (セトカノ)
- カテゴリ:自作小説
- 2014/06/15 20:08:40
*セト*
さっきから俺はひたすら走り続けている。
夜空には月と星が輝いていた。
路地裏、人気のない公園、赤レンガの小さな家。
いろいろなところを探したがカノはいなかった。
ただ、一箇所だけ探していない場所があった。
よくカノが通っていた廃ビルだ。
カノ、カノ、カノ、カノ―。
ようやくカノの姿を見つけた。
だけど、名前を呼んだ瞬間カノはコンクリートの地面へと倒れ込んだ。
何かがおかしい。
その時の俺はちょっとした違和感しか感じていなかったのだ。
*カノ*
あと、3分・・・か。
僕が僕でいられるまでのタイムリミット。
今は午後11時57分。
これからは孤独の世界に取り残されてしまうと思うと胸が締め付けられた。
みんなにいつもごめんね。
ありがとう。
って言いたかった。
キドにいつも頑張ってくれてありがとう。
って言いたかった。
マリーにいつもからかってごめんね。
って言いたかった。
キサラギちゃんにこれからもアイドル頑張ってね。
って言いたかった。
エネちゃんに早くシンタローくんに本当のこと伝えなよ?
って言いたかった。
シンタローくんにいつもお疲れ様。
って言いたかった。
ヒビヤくんにヒヨリちゃん早くみつかるといいね。
って言いたかった。
コノハくんに早く記憶が戻るといいね。
って言いたかった。
セトに大好きだった。
って言いたかった。
今になってはもう、叶わない願いごと。
僕の頬を暖かく濡らしていくものがあった。
「あれ・・・?
僕、なんで泣いてるんだろ・・・。
怖くなんてないのに・・・・。」
僕が怖いなんて思ってどうする。
僕は化物だ。
みんなと違って汚れている。
嘘つきで、母さんに嫌われて。
あと・・・・あ、もう時間だ。
「欺くの子、時間だ。
約束通り取引をしようじゃねぇか。
お前には俺の支配下に入ってもらう。
その代わりに他の奴らの安全は約束してやる。」
クロハくんはねっとりと耳にまとわりつくような声で僕に語りかけた。
「分かったよ。
取引は成立・・・だね・・・。」
本当は取引なんか成立して欲しくなんかなかった。
だけど、何度もループして決意した。
何度も何度も泣いて考えた。
けれど、頭の悪い僕にはこれ以外に最善策が思い浮かばなかった。
姉ちゃんみたいにかっこいいヒーローになれたかな?
倒れる寸前に見たのはこっちに走ってくる緑色だった。
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書くのめんどくさくなってきたー。
とりあえず今回はここまで!!
続きはまだありませんw
でもやっぱBLいいね!((黙