気になるセリフ2つ
- カテゴリ:日記
- 2014/07/13 20:27:25
ARMS 2
皆川亮二
七月鏡一(原案強力)
小学館文庫
主人公達の通う学校を舞台にした、双子の天才児アル、ジェフとの戦いと、主人公達の出生の秘密が隠された鐙沢村(あぶみさわむら)でのエピソードから成る。
これまで、主人公達のARMSは、体の一部が変形して、強力なパワーを発揮する、という程度だったが、鐙沢村編から、それぞれのARMSの特徴が明確になる。
また、ARMSにつけられたコードネームが明かされる。
主人公、高槻涼は「ジャバウォック(正体不明の魔獣))」、新宮隼人は「ナイト(騎士)」、巴武士は「ホワイトラビット(白兎)」
それぞれARMSの特徴を暗示しているが、名前から分かる通り、「不思議の国のアリス」に登場するキャラの名前となっている。
ストーリーでなく、文庫に収録するエピソードについてだが、先の展開を知っている人なら、「そこで2巻目を終わらせる?!」という所で切られている。
次の巻を買わせたい、というのも理由の一つだろうが、おかげで3巻目がいきなり第一部の終わりのエピソードから始まる事になり、ちょっと違和感を感じた。
印象に残ったのは、アルとジェフとの戦いのクライマックス。
主人公達を生け捕りにしろ、という命令を受けたが、公共の場で騒ぎを大きくしすぎ、エグリゴリ(主人公達を狙う組織)に見捨てられたアルとジェフ。
二人を抹殺するために現れたエグリゴリのエージェント、キース・レッドにジェフは殺されてしまうが、アルは間一髪で武士が助ける。
その時の武士のセリフ。
「この子達も"人間"に触れた事がないんだ!!
"人間"とちゃんと接するのが怖かっただけなんだよ。」
だから、「自分達は特別な人間だ」という殻に閉じこもり、それ以外の人間には何をやってもよい、と思い込んだ。
言い方を変えると、"人間"は自分達だけで、"外"の世界は怪物が住む世界。
だから怪物には何をしてもよい、と思い込む。
なんだか、現実にも似たような事例がありそうな気がする。
もう一つ、気になった点は、エグリゴリの「クリムゾン・トライアッド」と呼ばれるサイボーグ兵士三人兄弟のうちの一人、ビィのセリフ。
最初、自分の機械の体を「化け物」呼ばわりされ、激高するが、戦いに敗れた後、非礼を詫びる武士に言う。
「いつの間にか機械の体が私の心までも覆い尽くしていたんだ・・・。
たしかに・・・
化け物だったのかもしれない・・・」
身の丈に合わない力を、突然、持ってしまうと、人は、おかしくなってしまうのだろうか。
身の丈に会わない力を持ってしまった人・・、
映画「スパイダーマン」でも言ってますわ。
「大いなる力を持った者には、大いなる責任が伴う・・。」
って。。。