別れの影
- カテゴリ:小説/詩
- 2014/08/04 09:12:07
お休みが続く時
私は電車に揺られながら
思い出の町に行く
それはあなたの故郷
今頃あなたはどこにいるのだろう
駅で遠くを見ながら
あなたの家の方向を見る
そこには暖かな笑顔と
あなたの思い出が詰まっている
私には遠いものになった
都会の片隅で生まれた小さな愛
きっと花が咲くと信じていた
北風が揺らしても
太陽が照らしても
枯れることはないと思っていた
どこで間違えたんだろう
花は咲かなかった
きっと私達が振り向かなくなったせい
泪と言う水をあげても
もう遅過ぎた
風にせかされるように
あなたの町を離れていく
もう来てはいけないということは
分かっていたけれど
もう一度あなたの姿を見たくて
電車の揺れが
心を揺らす
まだ愛を持っているのだろうか
まだ花の咲くのを待っているのだろうか
都会の片隅は暗すぎるのに
風に吹かれて私の思いも
飛び去っていくのだろうか
あまりに悲しすぎた終わりに
ピリオドを打てるだろうか
明日には何が待っているのだろうか
都会に雨が降る
アスファルトに水たまりができる
そこに私の影を映しても
泣き顔が見えるばかり
もう追いかけても無駄なあなたの愛
別れの言葉もまだ忘れない
拘泥していても負けだけど
強すぎるあなたの存在が
心を強く抱きしめて
去っていくあなたの跡を追うばかり
ありがとうございます。
それははかない思いだと知っていても、つい見ちゃうんですよね。
遠くなった景色も、いつか心から消えていくといいですね。