雨の中、花咲く星【セトカノ】
- カテゴリ:自作小説
- 2014/08/07 16:59:18
「お前に俺達の何がわかる!!
いつもいつも、ヘラヘラ笑いあがって!
お前が欺いてるのに耐えるのも、もう限界だ!」
キドが涙目になりながら僕に向かって叫んだ。
「出て行け!!
俺はもう、お前の顔なんか見たくない!!
二度と帰ってくるな!!」
ねぇ、キド。
冗談だって言って?
いつもみたいに笑って「カノ」って言って抱きしめてよ。
どうしてみんなそんな汚いものをみるような冷たい目で僕をみてるの?
僕、何かしたかな?
みんなに迷惑かけないようにたくさん頑張ったんだけどな・・・。
あぁ、そうか。
僕が嘘つきだから、救いようのないくらいの嘘つきだから、
みんなは僕を突き放そうとする。
みんなが今、「光」を歩いているのならば、僕は1人で「闇」を歩いている。
「今までごめんね。
さようなら。
僕だって大ッ嫌いだ。」
僕はできるかぎり能力を使わずに笑ってアジトを出た。
あの時言った言葉は全部嘘。
本当に言いたかったのは
「今までありがとう。
また会いたいな。
僕はみんな大好きだよ。」
嘘つきな僕には最高な最後だっただろう。
そんなことを考えながら僕はただ歩く。
今日は食べるものを買って廃ビルででも、寝るとしようか。
ちょっとだったが財布に残金が入っていたはずだ。
その日は風の吹き込む廃ビルで身体を休めた。
次の日はあいにくの雨だった。
まるで、僕の心を表しているかのように。
こんな世界なら、姉ちゃんが居なくなったときに僕も一緒に消えておけばよかった。
理不尽な世界だってことを忘れるんじゃなかった。
そういえば今日はセトのバイトが休みのはずだ。
まぁ、もう関係ないのだけども・・・。
何て考えながら降り続く雨のなかを歩いていた。
どのくらいの時間がすぎたのかわからない。
気がついたら雨は止んでいて、空にはきれいな星がいくつも花のように咲いていた。
コツンコツンと明らかに僕のものではない足音が近づいてくる。
僕はその足音から逃げるように路地裏に逃げ込む。
だけど、その足音が遠ざかっていくことはなく、逆に近づいてきていた。
あぁ、もうだめだ。と覚悟を決めたとき後ろから不意に抱きつかれた。
「カノってば、俺に何も言わないでどっかいっチャって・・・
絶対許さないっすよ?」
優しくて暖かくて独特の喋り方、この声はどう考えても・・・、
僕が振り返ると後ろにはセトが居た。
「僕はいらない子だから、
不良品なんて必要ないから」
といった僕なんてお構いなしにセトは僕を抱きしめている力を強めた。
「あの時はキドも気が立ってただけっすよ!
今は反省してカノのこと探してるッすよ?
あ、でも、見つかったって連絡したからアジトで待ってると思うッす!」
セトは真剣に話していた。
だけど、そんな言葉も僕の心には届かなかった。
「ダメだよ・・・。
僕なんかが戻ったら。
今回みたいなことじゃ済まなくなる。
僕にはやりとげなきゃいけないことがあるんだ・・・!!」
僕は何も考えずに、ただセトを突き放そうと必死だった。
「とにかく帰るッすよ。」
そんなことはお構いなしに
ニコッと笑って僕を軽々担いでセトは歩き出した。
*
これができてしまいました。
次に書く如月アテンションでカゲプロ小説は最後になるかもしれません。
リクエストがあれば今日中に!
ないでしょうが・・・w
セトカノ( 感動した~^^
カノに激しく同意だね、うん。
人なんて、自分の上っ面しか見てないからさw
カノの能力欲しいw
続きがありそうなんだけど・・・ww
あ、「空にはきれいな星がいくつも花のように咲いていた」ってところ好き!
いいね♪
泣ける(泣