ドラマ【軍師官兵衛】
- カテゴリ:テレビ
- 2014/08/18 17:06:09
【感想】今回は歴史の狭間の物語といったところで、大きな動きはありませんでした。前半のキーパーソン・荒木村重の最後のメイン回といったところでしょうか。まず書いておかなければならないのは、前回の感想で秀吉がいつから豊臣を名乗ったかははっきりしていないと書きましたが、意外とはっきりしてましたね。天正14年(1586)9月9日からだそうです。普通にwikipediaにも書いてあり、なんで見落としたんだかよくわかりませんw それから荒木に関してですが、ドラマではすっかり死を待つだけの世捨て人といったイメージでしたが、実際の荒木は晩年においてもアグレッシブで、小西行長や高山右近を讒訴したり、留守中の秀吉の悪口を言ったことがバレて処刑を恐れて出家したりと、バイタリティに溢れていたようです。また道糞と名乗るようになったのは出家してからのようですね。実物は「憎まれっ子世に憚る」を体現したような人物だったんですな。その後あっさりと52歳で死んでしまったのが信じられないくらいです。後に絵師となる岩佐又兵衛が村重の子供であるというエピソードは実際伝わっていますが、村重ではなく村重の子の村次の子であるという説もあるようです。また生き延びた村重の子孫は彼だけではなく、丹後や熊本にもいたようです。まぁ、ここで村重が又兵衛と再会するというエピソード自体が架空のものでしょうから、あまり気にすることはないかもしれません。全体的に創作の多い回ではありましたが、茶々の所望による荒木を囲む会w すごい迫力でしたよね。もはや失うものは何もなく、望むことがあるとすれば自分の死のみという荒木は、誰もが胸に秘めていても口にすることができなかった、何故茶々は両親の仇の世話になり生きながらえているのかという疑問を声高に述べ、茶々を一刀両断しました。茶々はショックを受けていたようですが、実は家族を殺され仇の世話になっているという境遇が似通った荒木に、自分の中に渦巻く矛盾を解く糸口を見つけたかったのかもしれません。決して荒木を言葉責めにして楽しもうというS的な願望があったわけではなく、茶々が荒木に下した「生き恥を晒しながら生きながらえること」こそ犯した罪に対する罰というようなセリフは、自分に向けて言った言葉なのかもしれません。そして今回もう1つのエピソードは、官兵衛のキリスト教入信でした。残念ながら荒木の話が目立ちすぎて、何故官兵衛が洗礼を受けようと思い至ったのかが、あまり判然としませんでしたね。恐らく長きに渡る戦の連続で、心が疲弊していたのかもしれません。頭がよく、時には鬼にもなれる官兵衛ですが、元々は心の優しい人物だったのでしょう。しかし日本の宗教は、心からすがるには薄汚れていた。だから当時日本においては新興宗教だったキリスト教に入信したのだと思いますが、歴史にちょっと詳しい方ならご存知とは思いますが、この数年後に秀吉はキリスト教の迫害を始めます。実にタイミングが悪いですね。まぁ、その話は後々詳しく出てくると思いますので、またその時に。