嵐の夜
- カテゴリ:小説/詩
- 2014/08/22 10:50:19
それは嵐のような夜だった
吹きすさぶ風のように私の中に
あなたが舞い込んできたのは
突然の出来事に
うろたえている私がいた
あなたの心の激しさに
予感のようなものを感じた
これが恋の始まりなのか
あなたには近寄りがたかったけれど
心があなたを求めていた
この想いが何時か
あなたに伝わるなんて願いもしなかった
ただ見つめるだけでいい
それだけでなにもいらない
振り向いてくれないとしても
私の独りよがり
あなたには誰もいないなんて
でも違った
彼女もまた激しい心を持った人
二人の渦巻きが重なるようだった
何を迷っていたんだろう
もう近寄れないあなた
引き返したとしても
あなたへの想いが残るだけ
たとえそれが火粉になっていたとしても
心に刻みつけられたあなた
悲しみは深く鋭く
でももう想えない
想うだけで幸せなんて
そんな事は嘘
二人が遠ざかっていく
あなただけを見つめたいのに
あなただけでは目に入らない
二人の背中を見ても
あなたは浮かびあがって来ない
いつかの嵐の夜のように
心が飛んで行けばいい
あなたへの想いを風に飛ばして
何も残せなくなったらいい
今は悲しみだけが募るなら