読書録:写真で見る海軍糧食史
- カテゴリ:日記
- 2009/08/31 01:51:06
ちょっと時間はかかったけれど、読了。
海軍の発足時から終戦間際までの海軍の食糧事情についての解説書。
以前に日清・日露戦争当時のレシピとして「コンビーフ其侭」というものが記述されていた本でもある。
今回はその後の昭和初期以降の食事情をちょいと紹介、昭和初期くらいになると、艦内の設備もずいぶん改善されていて、冷蔵庫はもちろんのこと、蒸気式や電気式の炊飯器や電気式揚焼器、機械式の調理器(フードプロセッサ)など、現代とそれほど遜色ないものがそろえられていたようだ。
献立表も、昭和5年の海軍記念日周辺と昭和3年5月の戦艦長門の一週間分の例が記載されているのだけれど、けっこう充実したメニューとなっている。朝は基本的にご飯と味噌汁、漬物なんだけど、昼食、夕食はかなり豊富なメニューが用意されていたようだ。
また、艦内での副食調理手順というものが記載されているけれど、これはスイッチを入れてから出来上がりまで、分刻みでの手順が記載されているというしろもの。調理器具が充実しているからこういう真似ができたのだろう。
もちろん、レシピもサンプルとして5つほど記載されているのだけれど、そのうち4つはカレーだったりする。この中で一番食べてみたいのは仕官食の伊勢海老カレーライスなのだけれど、材料費考えると・・・orz。ちなみにレシピ(10人分)はこんな感じ。
材料が、伊勢海老6尾、玉葱大3個、塩、古生姜、麦粉(小麦粉)、カレー粉、バタ(バター)、飯、林檎2個、牛乳一合、作り方はというと、生姜と玉葱をみじん切りにして、バターを溶かした鍋で狐色に炒めて、カレー粉を加えて、とろ火で炒めて、麦粉を加えてさらに炒めて、お湯を加えてよく混ぜて、塩を加えて煮立て、煮立ったところにえびの頭をはずして加え、出汁が出たところで取り出し、林檎をすり卸して煮る。その後海老の身の賽の目切りを加え、牛乳を加える。で、ご飯を盛った脇にカレーを掛ける。
・・・これはそのうち作ってみたいけれどねぇ・・・。
話がそれてしまったけれど、これが、戦争末期になってくると、食糧事情の悪化に伴い現地自活なんてことの研究がなされたりしている状況が書かれているのが悲しいものがある。
そうそう、旧海軍のレシピ集といえば、こんなの↓も出てるんだよねぇ
http://www.amazon.co.jp/%E5%BE%A9%E5%88%BB-%E6%B5%B7%E8%BB%8D%E5%89%B2%E7%83%B9%E8%A1%93%E5%8F%82%E8%80%83%E6%9B%B8-%E5%89%8D%E7%94%B0-%E9%9B%85%E4%B9%8B/dp/4903145247
でも、これ食えるの、館長クラスの佐官以上じゃないかしら^^;
万が一、伊勢海老をもらったりしたとしても、まずは違う料理にしそうだしwww