ドラマ【軍師官兵衛】
- カテゴリ:テレビ
- 2014/09/22 17:17:04
【感想】前半は城井谷の悲劇のその後、後半は秀吉の増長と朝鮮出兵の兆しという構成でしたね。まず城井谷。このエピソードに詳しい方なら誰もが疑問に思ったことでしょうが、史実では鶴は殺されてますよね。しかも侍女とともに河原で磔にされるという、むごい殺され方をしています。この殺し方から見て、やはり長政には宇都宮一族に恨みがあったとしか思えませんね。命令されて仕方なく…という感じではありません。秀吉に二心がないと示すため、わざわざ目立つような処刑を行ったのかもしれませんが…。大河の主人公らしからぬ、残酷なエピソードではありますが、あの竹中半兵衛も若い頃に騙し討ちのようなことをしてますし、信長、秀吉においては、女子供を磔にして殺すなど、日常茶飯事のことでした。だから黒田は悪くないとは言いませんが、戦国の世に生き残るためには仕方なかったことでしょうし、宇都宮は滅びたくなければ素直に伊予に移るべきだったんですよね。四百年この地を守ってきたとか、天下人面をした百姓上がりに従いたくないとか、そういう誇りとか体面とかにこだわるから、滅びちゃうんですよ。そういう思想こそ、秀吉から疎まれた最大の原因だと思いますね。その頑固さが、戦国を経て変わり行く時代に合わなかったんでしょうね。しかしその頑固さも、日本人が好むところであることも事実ではあります。さて、ドラマでは生きて逃げ延びた鶴ですが、このストーリーを選んだのには、何か理由があるのでしょうか。今後鶴は出てくるのでしょうか? そのへんが気になりますね。後半ですが、なんというか、最近は秀吉との関係で、官兵衛の対応の悪さが目立ちますね。長政に対しては大層偉そうなのにw 秀吉と相対すると、途端に無能になってしまう。ちょっと脚本としてこれはどうなのって思ってしまいます。恐らく秀吉の変わりぶりに、昔の秀吉を知る官兵衛がついていけなくなった…ということなのだと思いますが、例えば利休の茶室で秀吉が朝鮮出兵について初めて官兵衛に話す時、官兵衛はその意向に真っ向から反対します。周囲に天下人と持ち上げられ慢心している秀吉に、昔のように真っ向から意見するような態度は、かえって事態を悪くすると思いますね。ここはその考えが間違っているというのではなく、少しでも先延ばしにするよう働きかけるべきではなかったかと。まぁ、実際官兵衛が朝鮮出兵に反対していたかどうかはわかりませんけどね。最早この頃秀吉との心の溝が埋まらない状態となっており、天下人の秀吉の命令に逆らうことはできなかったのではないかと思います。しかし、秀吉は本当にどんどんおかしくなっていきますね…。最初に竹中が大河ドラマで秀吉を演じ、大好評を博し大物俳優の仲間入りをしたのがもう18年ですよ。秀吉が若い頃の演技は当時と変わらないという印象を受けたのですが、年を取ってからの演技は、18年前よりずっと凄みを増した気がしますね。昔はお笑い芸人に毛が生えた程度のタレントだったのに、どんな役でもこなすすごい俳優になったもんだ。彼が出来ないのはイケメンとアクションだけですねw