勿忘草 (カノ×キド)
- カテゴリ:自作小説
- 2014/09/27 10:55:01
___キドだーいすきっ!
そんな声が聞こえた気がする。
幻聴だろうか。
そう考えると少しゾクッとした。
時計を見ると午前5時だった。
いつもより2時間早いが、身だしなみを整えて部屋の外に出た。
共有スペースに出るとセトがソファで寝ていた。
昨日も遅かったんだな。と思い、俺はセトにそっと毛布をかけた。
朝ごはんの準備などをしているとセトとマリーがおきて来た。
「セト、マリー、おはよう。」
俺は出来上がった朝ごはんを食卓に並べながら二人に告げた。
すると二人は驚いたようにお、おはよう!といっていた。
「さっさと座れ。
ご飯パリパリになるぞ。」
俺が告げると二人とも頂きます!といってもぐもぐとご飯を食べていた。
ご飯を食べ終わると二人はそそくさと部屋に引っ込んでしまった。
おかしなやつらだ。
俺は何か大切なことを、忘れてはいけないことを忘れている気がした。
思い出せないのでそれほどでもないのかと考えることを放棄した。
そういえば今日はスーパーで特売だ。
買い物にでも行くか、と俺はアジトを出た。
買い物帰りに通りかかった交差点。
その交差点の一角には花が添えられていた。
その花を見たとき、忘れていた色々な記憶がフラッシュバックしてきた。
俺はその場に座り込んでしまった。
邪魔だろうが足に力がはいらなかった。
あいつの笑った顔、拗ねた顔、欺いた顔、泣いた顔、落ち込んでいる顔・・・・・。
あいつは俺を庇って散っていった。
カノ・・・お前は俺を助けて・・・・死んでしまったんだ。
涙が溢れてきそうだったが、俺は何とか立ち上がりアジトへの帰路へと戻った。
あの日はカノが任務に行ってて俺は今日のように買い物に行っていた。
買い物の帰りと任務の帰りにちょうどカノとあの交差点で鉢合わせた。
信号を渡ってくるカノを待っていた俺にブレーキがかからなくなってしまったといわんばかりのスピードで突っ込んでくる車。
俺は反射的に目を瞑った。
そのとき、横から確かな衝撃を受けた。
次の瞬間聞こえたのはドンッという鈍い音と周りの人の悲鳴だった。
目を開けた俺の視界に入ったのは建物に突っ込んでぐちゃぐちゃになった車とそばに横たわるカノの姿だった。
そこからは覚えていない。
アジトに帰った俺は何をする気にもなれずカノの部屋のベッドに座っていた。
「ねぇキド!
この絵、僕大好きなんだ!」
といっていたのをふと思い出した。
その絵は今も変わることなくカノの部屋に飾ってあった。
俺はその絵を手に取った。
裏側に紙が張り付いていた。
「To.キドへ
○○県○○市×-×-
なにかあったらここにいってね!」
その紙を見つけた俺は翌日紙にあった場所に訪れた。
そこは一面青い花で埋め尽くされていた。
さっきの手紙にはもう一つ書いてあった。
「つぼみ、僕になにかあったらここにいって下さい。
此花は勿忘草、といいます。」
俺はスマホで勿忘草について調べた。
花言葉を見て俺は静かに涙を流した。
勿忘草:私を忘れないで 真の愛
*
貼りなおさせて頂きました。
さしぶりのカゲプロなので腕が鈍っていますがよければコメント下さい!
S!
遅くなってごめんな?
っていうか・・・
花が鼻になってる!
花言葉がいいね!ヤバい、可愛い…//←
あれ、てか、カゲプロ書かないんじゃなかったの?
まあ、いっかw