切符
- カテゴリ:小説/詩
- 2014/10/10 09:27:55
「旅に行こうね」って言ってたのに
あなたの手のひらの切符は
片道切符だった
私の手のひらには
往復切符が残されて
あなたが向かったのは
どこの駅なんだろう
二人の愛の行方は
どこに行ったんだろう
考えても考えても出てこない
変わりゆく季節が
あなたの心も変えたのか
とどまることを知らない季節が
私だけを残して行ったのか
誰も教えてはくれないけれど
あなたのことは何でも
知っていると思っていた
本当は私から
目をそむけていたなんて
気付かなかった私がばかだった
誰を責めても
誰を問いただしてみても
何の力にもならないことは
身にしみて知っている
もうあなたはいないんだもの
今は何もかもがもう
幻でしかなくて
二人過ごしていた時間が
偽りに見えてきて
なぜ私を苦しめるの
儚い季節を精いっぱいに
生きていく自然たちの姿が
辛いほどに目に焼き付いて
あなたのことをもっともっと
大切にしたかった
追いすがる私なんて
あなたは見たくなかったんだろう
それが最後のあなたの優しさ
分かっていたらあの分岐点で
笑顔で見送ることができたのに
往復切符で帰ってきた私
泣いて泣いて泣きつくして
あなたを怨んだこともあったけれど
今はもう面影だけを
目が 手が 追いかけている
さようなら あなた
言いたかった言葉
でも言えなかっただろう
その為のあなたの片道切符
握りしめていたあなたの手を
私はもう知らないまま
ありがとうございます。
>クレジットカードは必要ないんだ
いい言葉ですね。汽車に乗ってどこまでもどこまでも、愛を確かめに、愛を深めに行くのでしょうね。お互いの心を寄せ合って…。
メーテルと鉄郎。懐かしいですね。
メーテルが、最初は母に見えたけど、いつの間にか愛する人へと…。
青春の1ページですね。
メーテルと鉄郎の関係のように、愛とは青春の幻影なのでしょうかね
ちなみに汽車がらみで僕の好きな歌詞↓下手だけど和訳だよ^^
富も名誉もいらない その汽車に乗るにはクレジットカードは必要ないんだ
それは時には強く、悲しく、残酷だけど、君の命を救うかもしれない それは愛の力さ♪