純愛か歪んだ愛か
- カテゴリ:自作小説
- 2014/11/16 17:36:23
お母さんはあなたのことを愛してるの。
だからね、何処にもいかないでちょうだいね。
「わかった?
約束よ?」
その時の母に僕は逆らえませんでした。
父は仕事で夜遅くまで帰ってこなかったのです。
帰ってこない日もありました。
僕だってみんなと同じように寮で生活をしたかったのです。
もっとみんなと一緒にいたかったのです。
けれど、僕は母のペットのようでした。
母には逆らえず、唯一の頼りの父も滅多なことじゃ帰ってこない。
僕はそんな生活を強いられていたのです。
誰か僕をここから連れ出してください・・・。
そう思う毎日でした。
同じチームのメンバーだって僕がこんなふうに思っていることは知らないのでしょう。
僕は孤独。
母に逆らって学校を辞めさせられるということが一番怖かったのです。
今から1ヶ月ほど前のことでした。
僕はいつものように学園内にある人目につかない校舎裏でダンスをしていました。
「ダンス・・・・・」
という声が聞こえて振り返ると一年生として今年学園に入ってきた少年がたっていました。
「君もダンスが好きなの?」
僕は彼に問いかけました。
「はいっ!
ダンス大好きです!
ダンス部が作りたくて・・・・
一緒にやりませんか?」
彼は自分のやりたいことに向かって真剣に走っていたのです。
「うんっ!
僕なんかで良かったら一緒にやらせてもらうよっ!」
放課後には彼が誘ってくれた他のメンバーとも話しました。
白衣の彼も白色の彼も赤色の彼も、みんなみんな、自分の意志で行動していたのです。
母に内緒で始めたダンス部は瞬く間に成長していき、学園では知らぬ人がいないほど大きなグループになっていきました。
文化祭でのことです。
僕はダンス部としての発表があったので舞台裏の楽屋で準備をしていました。
すると急にドアが開いて、誰か人が入ってきたのです。
「まぁっ!
あなた、お母さんに内緒でこんなことをしていたのね」
その声は間違えなく母の声でした。
「そんなことやめなさい。」
僕は母の声から逃げるため白衣の彼の後ろに思わず隠れました。
「さぁ、帰るわよ。」
母の手は僕に向かって伸びてきます。
あとちょっとで母の手に捕まりそうになったところで彼が母の手を制しました。
「この舞台を見てやってから決めてくれませんか?
息子さんはダンスが好きでダンス部にはいられたんです。
今日のためにメンバーと一緒に毎日練習してました。
お願いします。」
僕のために彼は頭を下げてくれました。
メンバーのみんなも頭を下げてくれました。
母に逆らえない自分を情けなく思いました。
「お母さん、見ててください。
今日の舞台!」
僕たちは舞台を駆け上っていきました。
ダンスの振りを間違えることもなく、楽しんで踊ることの出来た舞台は一瞬で終わってしまいました。
もう踊れなくなるかもしれないと思うと怖かったですが僕は母に逆らう勇気を持とうと思えました。
「お母さん、僕みんなと踊りたいです。
みんなともっと一緒にいたいです。
寮にだって入りたいんです!」
僕は家に帰ってから母にこう告げました。
母は泣いていました。
「あなたは、お母さんを捨てるの?
お母さんはこんなにも貴方を愛しているのに。」
母の制で、母に逆らえなかった僕の制で、僕は18年間もの長いあいだ自分の意志で行動することができなかったのです。
学校に行って勉強して帰って寝る。
ただ、それだけの日常でした。
けれど、ダンス部を始めて僕の日常は色づき始めました。
たった一色じゃなくて何色もの色が僕の日常を染め上げました。
そして、そこで気づいたのです。
「お母さん。
お母さんの愛は間違っています。
本当の愛というものは離れていてもなくなりはしないんです。
人の心を想う気持ちのことなんです。
僕はお母さんのゆがんだ愛を受け止められません。
しばらくメンバーの寮でお世話になることにします。
1週間後、帰ってきます。
その時にお母さんの気持ち、教えてください。」
では・・・と言って僕は荷物を持ちお屋敷を後にしました。
母ひとりを残して
その日からの一週間は実に充実していました。
メンバーの部屋(家)を転々とし、毎日夜遅くまでお話をしたりして遊びました。
母に縛られなくてもよい生活はとてもリラックスして過ごすことができました。
そして、あっという間に1週間が過ぎました。
「ただ今戻りました。」
僕はそう言って広間の扉を開きました。
「お母さんの気持ち、聞かせていただけませんか?」
僕は母の正面に立ちました。
「お母さん、間違えていたのかもしれないわ。
思い返してみればお母さん、あなたの自由を奪っていたのね。
ひどいことをしてしまっていてごめんなさい。
手続きはしてあるから行ってらっしゃい。
もうそれほど期間は残っていないけれど、残りの期間お友達と楽しい寮生活してらっしゃい。」
優しく微笑む母の姿を見て僕も思わず微笑みました。
もしかすると、母のあんな姿は初めて見たのかもしれないです。
「では、失礼します。」
僕は母に一礼すると大好きな仲間のいる学園へと足を進めました。
母の愛がゆがんでいると知ることができた理由。
それは、仲間が僕に本当の愛を教えてくれたからだったのです。
END
いやー・・・お母さんひどい人ですね
心入れ替えてくれなければ僕が成敗しに行ってました←
HAPPYENDになってくれてよかったです!
ちょっと怪しかったんですよねww
お母さんが心を入れ替えなくてそのまま出て行っちゃうENDになるところでしたww
コメントよろしくお願いしますw
お母さん酷いけど、タツキっくのこと、本当に愛してたんだねー…
なんか、淡々と話してる感じで怖かったw
でも、雨が書いた小説で、こういうのは久しぶりっていうか、初めてっていうか…
とにかく、凄いw
( ゚д゚)ハッ!、私もあの退会前に書いてたんだから書かなければッw
御母さん酷ッ!?w
色々見てるけど、小説書くの上手だニャ^^
(そういえば・・・ 暇人のサークル掲示板全然更新してないな・・・)