傍にいてくれるモノたちに名前が近づく?─イコン1
- カテゴリ:アート/デザイン
- 2014/11/17 23:57:10
ある用事で都心に出た時─バイト先もすべて家の近くなので、殆ど都心に出ることがない。出るとしたら、たいていそれはわたしにとって非日常だ──、駅の ホームでだったと思う、「玉川学園創立八十五周年記念特別展 東と西のキリスト教美術 ─イコン・西洋絵画コレクションから」(前期二〇一四年十一月三 日~十二月七日、後期二〇一四年十二月十三日~二〇一五年一月二十五日、玉川大学教育博物館)のポスターを見た。この展覧会は、五年前に同じ場所で開催さ れた「イコン-聖像画の世界展」とほぼ同じものだったろう。こちらも行ったのだが、ポスターを見かけた時、知らないうちに、懐かしさがわきあがってきた。 五年ぶり、ということもあっただろうけれど、今から思えば、五年前もやはり駅のホームに貼られていたポスターで、開催を知った、そのこともゆかしく思った のだろう。
で、ポスターを見て数日後の金曜日に出かけてきた。ちなみに大学の中なので、基本的に土日は休み(他、年末年始なども休みなので、行きたいと思った方は 調べてからにしたほうがよい)、で、平日に赴いたのだった。五年前は仕事の関係で平日ということがネックになっていたのだが、今は違う。歳月を思う。そう いえば、五年前に教育博物館の入り口で、割引券をもらったのがきっかけで、「国宝・土偶展」(東京国立博物館)に行き、そのことで土偶や縄文式土器にひか れるようになったのだなと思い出す。最近、東京国立博物館に出かけ、そこで土偶を観たばかりなので、そのこともあわせて感慨にふけった。
最寄駅の玉川学園前駅は、自宅最寄駅と、同じ路線上にあるので、うちから電車一本でゆける。平日の昼だし、電車もすいている。急行が止まらない駅なの で、手前まで急行で行って、各駅停車の電車に乗り換えるという選択肢もあったが、早朝バイトをしてきて、疲れていたので、最初から各駅停車でゆくことにし た。電車で読む用に本も持っていたけれど、開くことなく眼をとじる。何分ぐらいかかるのだろうか。スマホで調べるのもおっくうだった。新百合ヶ丘の先だ。 ともかくうたたねしよう…。
うつらうつらしながら、何回か眼を覚ます。まだ大丈夫。あと数駅。平日だと実は頭の切り替えがなかなかできない。だが電車のなかでうたたねすることで、 少しだけそれができたようだ。ほんのすこしの眠りの後、もはや見慣れない駅に来ている…。非日常。玉川学園前駅につく。ここで降りるのは二回目だ。前回の 展覧会以来。
駅からすぐのところが学校の敷地だ。けれども玉川大学教育博物館は、いちばん端にあるので、十五分ぐらい歩く。前はパソコンでダウンロードしたチラシの 後ろについている小さな地図を片手に迷いながらいったのだろう。今回はスマホのナビを使ってみた。八月にガラケーからスマホに買い換えたのだが、普段ナビ を使う機会がなかったので、ほぼはじめて。「百メートル先右折です」とかしゃべる通りに歩く。迷わずについた…。だが、ナビを使うのは考えものだと思っ た。特に帰りだ。五年前にも一度来たことがあるし、駅まで今度はナビを使わずとも帰れるだろうと思っていたのだが、今回、行きに自分で考えて進むことをし なかったので、途中で道に迷ってしまった。博物館でもらってきたチラシに載っている地図を見ても、自分がどこにいるのか、どの方向を向いているのかわから ない。もともと方向音痴だということはあるけれど、最初から地図を片手に進んでいたら、ここまでひどいことにはならなかったはずだ。ナビにたよりすぎる と、頭をつかわなくなる、馬鹿になるのだなと、すこしだけ眼からウロコ状態になった。結局、またナビを使う。今度は玉川学園前駅まで。途中からはほぼ一本 道になるので、さすがに途中で案内を終了したけれど。だがスマホもいいところはたくさんある。このあいだダウンロードしたばかりで、まだあまり活用してい ないけれど、美術館のスケジュールがわかるアプリもあるし。(続く)