Nicotto Town



1999年のエース対決


 1999年。
 オレたちはまだ、若かった。
 1998年の長野オリンピックを一緒に観戦し、結婚を約束した彼女とその年の秋に別離。立ち直るまで、半年かかった。
 しかし、4月は、オレたち熱血千葉ロッテマリーンズフアンにとっては、雪解けの季節なのだ。
「Aさん(オレのこと)、平成の怪物、松坂大輔のマリンスタジアムデビュー戦。見に行きましょう」
 親友の哲ちゃんが誘ってくれた。歳はオレより下だが、頼りになるナイスガイだ。
「もちろんさ。松坂に、ロッテファンの熱い応援、聞かせてやろうじゃんか」
 当日、マリンスタジアムの外野ライト側席は、あっという間に満杯。立ち見も出た。
 松坂大輔18歳。練習風景もサマになる、スーパースター。
「デカくていいケツしてますねえ」
「こいつ、高卒ルーキーとは思えん。完全にプロの身体だ」
 迎え撃つ我らが千葉ロッテのエースは、もちろん、ジョニー黒木知宏。
「今がんばれ!今がんばらないで、いつがんばる?」、を座右の銘としてプロ野球界に君臨した、魂のエースである。
「松坂、球、速えスね」
「3点取れれば、ジョニーが根性で抑えてくれるさ」
 オレたちマリーンズファンは、もちろん攻撃時総立ちで、力一杯応援した。
「若造松坂に負けられるか。オレが真のエースだ」
 ジョニー黒木の背中から、いつも以上の気迫を感じた。
 大観衆は、息詰まる投手戦に酔った。1球投げる前の沈黙、どよめき、歓声。
 生涯忘れる事はないだろう。
 激闘の末。
 細かいスコアは覚えていないが、2-0で、千葉ロッテ勝利。
 哲ちゃんとオレは、固く握手を交わした。
「Aさん、野球っていいスね」
「最高だね」
 

 あれから15年。
 去年の冬、哲ちゃんは、心臓発作で急逝した。
 38歳だった。
 

 来年からソフトバンクのユニフォームを着ることになった松坂大輔よ。
 哲ちゃんの無念を晴らすような投球を、見せてくれ。
 頼んだぞ。

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2014/12/04 04:10
いい試合を見られたのですね^^
感動をもらえる試合、いいですね~♪

松坂もソフトバンクに入って、是非是非いい投球を見せて欲しいです!

お友達のご冥福を祈ります;; 
早過ぎます・・・・
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2014/12/03 16:32
松坂って来年からソフトバンクなの?

大リーグでの活躍があんまり・・?だったような。。ほんとに大リーグで活躍できるスターって、数えるほどしかいないのね
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2014/11/30 19:50
彼女との別れ、
親友との死別、
いろいろあったのですね....
野球は観ないのでよくわかりませんが、
お友だちの無念が晴らせればいいですね♥
ソフトバンク、地元の球団です^^




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