第4章 幸せを運ぶ
- カテゴリ:自作小説
- 2014/12/06 23:04:02
第4章です!
やっと!!
そろそろかわいそうゾーンですかね・・・・w
ではどうぞ!
黄色い天使と赤い人間。
第4章 幸せを運ぶ
*ケント*
3人がいなくなって静まり返った二人ぼっちの天界。
タツキは俺と初めて出会った時と同じように涙を流していた。
さっきまでは天使の仕事、としてやっていたから涙を流すのを我慢していたのだろう。
長年、タツキの仕事を見てきたから分かる。
天使にはいくつか守らなくてはいけないことがある。
・生を望まないものに死を与えてはならない。
・仕事着を着用する。
・仕事中は涙を流してはならない。
・仕事は月に数回、必ず二日通しになる。
俺は完璧に人間に戻してやることができなかった。
タツキの精神の一部は天界に未だにとらわれている。
俺は目の前で泣いているタツキに言ってやる言葉なんか見つかる訳もなく、ただ頭を撫でてやることしかできなかった。
大好きだよ。と言ってやる筋合いは俺にはない。
ただただ、涙を流すタツキをそっと抱きしめた。
「タツキ、ごめんな。」
俺が呟くとタツキはふるふると首を横に振った。
「先生は何も悪いこと、してないよ・・?
先生は僕をこの何もない天界から連れ出してくれたでしょ・・・?
僕、僕それだけで嬉しかったよ
先生が連れ出してくれたから、僕はぱっくんや奏君、あきらっちょに出会えなかったんだし
先生には感謝しきれないよ・・・」
タツキの流す涙が俺の胸をじわりと濡らしていく。
ごめん。。。
本当にごめんな。。。
俺はタツキを抱きしめる手に力を込めた。
天界から戻ると事情を知っている中島さんに今日は帰ってこれないみたいですと伝えてから学校に向かった。
屋敷から出るとまだ、日はのぼっていなかった。
学校につくと俺は職員室ではなく化学準備室へと向かった。
化学準備室の前の廊下で仲良く眠っている3人の姿を見つけた。
12月のまだ、日も出ていないような時間帯。
そんな時間にこんなところで寝ていたら風邪をひいてしまうと思った俺は3人の体をゆさゆさと揺すった。
目が覚めたらしい3人に俺は話を聞く。
「こんな時間にこんなところで、どうしたんだ?」
すると3人は苦笑いをするとこういった。
「あそこから戻ってから寝れなかったんです。
3人とも。
それに、タツキ先輩は涙を我慢していました。
先生も辛そうな顔をしていました。
俺たち、そんな2人が心配だったんです・・・。」
そう、言い終わった時、奏は俯いていた。
とりあえず、そんな3人を俺は化学準備室に押し込んだ。
「わかったよ。
タツキの話の中では俺は正義の味方だった。
だけど、そんなこと何一つない。
タツキを元の人に戻してやることができずにタツキの一部の精神は未だに展開にあるんだ。
俺が、ちゃんと術式を使いこなせていなかったから。
そして、天使には決まり事があるんだ。
6個以上も。
この決まりごとのせいでタツキは涙を流すことに対して恐怖心を持つようになった。
代わりに、笑顔でいることにも。
全部、俺の責任なんだ。
タツキはさ優しいから俺のことを責めないけど、俺は責任を感じてるんだ。
っと・・・また、暗い話しちゃったな」
無理だと分かっていながらも笑顔を浮かべてみせる。
そんな俺に気を使ったのかアキラが口を開いた。
「全然大丈夫だぜ。
っていうかさ、タツキっくは一緒じゃなかったのか・・・?」
どのように説明しようかはもう決まっていた。
「タツキはな、天使の決まりごとの一つである【仕事は一回につき最低二日】っていうもののせいで今日は帰ってこれない。
だから、今日は学校も人間としてもタツキは休みの日だ。」
俺がそう言うと3人ははっとした。
自分たちのせいかもしれない。
そう思ったのだろう。
「先生・・・それって、俺たちのせ」
「そんなんじゃないさ、
お前たちに出会えて、昨晩お前らと話して、タツキは泣いてた。
僕も、みんなのようにちゃんと生きたい。って
今までのたつきだったら絶対に言わなかった言葉だった。
そんなタツキの姿を見て俺、またごめんって言いかけたんだ。
タツキは優しいから俺を責めるようなことはしないって、きずつけるようなことは言えないってわかってるはずなのに。
全部、全部俺がいけなかったんだ。
俺が失敗したから・・・。」
溢れ出しそうになる涙を必死にこらえる。
こんなところで、それも生徒の前で泣いている教師なんているものか。
その一心だった。
「先生は何も悪いことなんかしてないじゃないですか!」
そう言ってニカッと笑うパク。
「そうですよ。
先生のおかげで俺たちは出会えたんです。」
薄く微笑む奏。
「そうだな!
先生には感謝してもしきれねーな」
俺の背中を撫でるアキラ。
それに答えるように俺は自然と笑みを浮かべていた。
なぁ、神様。
俺は誰も救えないような人間だけどさ、今、こんなにも幸せだ。
可愛いよ!w
もー、皆可愛すぎてどうしよう…
天使の決まり事かー…大変やな、タツキっくも…
心優しい皆が大好きだ!可愛い!
雨、流石すぎるd