ドラマ【すへてがFになる】
- カテゴリ:テレビ
- 2014/12/10 16:45:19
【感想】これは完敗というしかないですかね。萌絵につられて、寺林を全然疑ってませんでしたからね。考えてみれば、このシリーズでの萌絵のポジションは、頭はいいですが間違いなくワトソンであり、ホームズである犀川を事件に巻き込み、頭脳を引き立たせる役なんですよね。ついそれを忘れていました。
とはいえ、途中で寺林が怪しいと思ったことが、なかったわけではないです。ただ動機がまったくわからず、一般人から見ればやってることに一貫性がなかったため、容疑者から除外していました。ここでもまた、このシリーズの犯人の動機は、常軌を逸していて一般人には理解不可能なものが多いことを忘れていました。前回の感想で私が披露した推理は、動機に筋が通っており、一般人にも理解できたと思います。紀世都が明日香の首を持ち帰った動機のみ、ちょっと常軌を逸していましたが、妹をこよなく愛す兄としては、まだ一般人にも理解できる範囲だったように思います。寺林の紀世都の体に対する執着は、もう一般人の域を逸してますよね…。そして、同僚の上倉裕子を殺した理由も。これはわかるわけがない。この原作は読んだことはないですが、他の森氏の作品を読んだ時は、何となく理解したような気になっていたけれど、改めてよく見るメンツで映像化されたものを見ると、これって果たして推理物として成立するのかどうか、疑問すら感じてしまいます。正直、私の推理の方が推理物としては成立してますよねw
ただひとつだけ、私は明日香の首を持ち去った人物と、殺人犯とは別人であると推理しましたが、そこだけ当たらずしも遠からずでした。明日香を呼び出して殺し、寺林を昏倒させたのは、寺林に恋心を抱き、彼が明日香とつきあっていると勝手に嫉妬した上倉のしわざであり、その事件が今回の連続殺人事件の発端となったわけですよね。だから明日香と上倉という、一見何のつながりもない連続殺人事件となってしまい、明日香を殺した人物と、明日香の頭部を持ち去った人物の意図が違っていたため、混迷を極めてしまったというわけです。
結局寺林は、紀世都の体に以前から惚れ込んでいて、型を取りたいという欲求を持っていたのでしょうね。あの隠し部屋で準備を整え、妄想に耽っていたと。それが明日香が殺されるというセンセーショナルな事件でタガが外れ、明日香の頭部切断、紀世都の殺害に及んでしまったのでしょう。しかし、こんなドラマがあると、世のモデラーたちが偏見の目で見られないかと、ちょっと心配になりますよねw ただ、ほとんどの人が、一般人を気取りながらも、実は心の奥底に人には言えないような、おどろおどろしかったり、淫猥だったりする妄想や欲求を抱えているんだと思います。もちろん、それはモデラーに限った話ではありません。その妄想や欲求を現実に実行するか否かが、一般人と異常犯罪者の線引きになるのだと思いますね。