もしもしバウムです
- カテゴリ：小説/詩
- 2014/12/14 02:15:11
それはそれは
街と海を見下ろせる小高い丘の小さな公園にありました
リンリーン、リンリーン
電話が鳴っています
ハイハイ今出ますよ
ちょっと待っていてね
やぁ、こんにちはリヒトおばあちゃん
元気かな
受話器の向こうから
明るい声が聞こえます
おやバウムかい
いつもいつもありがとう
今日は何かあったのかい
微笑みながらたずねました
そうなんだリヒトおばあちゃん
子猫だよ
海の方に見える高い煙突の家だ
そう赤い屋根の・・・
生まれたんだよ猫の赤ちゃん
女の子だよ
それはそれは良かったね
おばあちゃんはうれしそうに言いました
そうそう明日は雪
寒くなるから気をつけて
暖かくして風邪を引かないようにね
そう言って電話が切れました
バウムも暖かくするんだよ
おばあちゃんも笑って答えました
いつの頃からでしょう
週一回バウムから電話が入るようになったのは
バウム・・・？
おばあちゃんはバウムが誰だか知りません
ある日突然
電話がかかってきたのです
それから一人暮らしのおばあちゃんは
電話がくるのを楽しみに待つようになりました
それは昔々
リヒトおばあちゃんが小さいころのことです
家の隣の小さな公園に
どんぐりを植えました
どんぐりさんどんぐりさん大きくな～れ
毎日毎日お水をあげました
それが今では公園のどんぐりの生る
大きな木になっていました
名前をバウムといいます
バウムには心配事がありました
僕を育ててくれたリヒトおばあちゃんが
最近元気が無いんだ
大好きなおじいちゃんが亡くなってから
元気が無いんだ
鳥さん様子を見て来てくれないかい
鳥さんは寂しそうにしているおばあさんの事を伝えました
どうしよう
バウムは木の神様に相談しました
バウムよ
おばあちゃんとお話をしてみるかい
どうやってお話が出来るの
神様は微笑んで力をかしてくれました
街を見下ろせる小さな公園
そこは保育園の子供たちのお遊びの場所でもありました
隣の白い家の二階から
今日もリヒトおばあちゃんが笑顔でみんなをみていました
拾ったドングリをおばあちゃんに見せて
みんな喜んでいます
おやっ、一人の女の子が穴を掘りどんぐりを植えています
どんぐりさんおおきくなれって水をかけました
それを見たおばあちゃんとバウムも
おおきくな～れって楽しそうに口ずさんでいました
あたたかい日差しのもと
公園から見える街と海もおだやかに微笑んでいました
なんて・・・どうでしょう
木もきっと好きな人とお話をしたいのかも知れません
そんな気がします
懐かしの黒電話
ジ～コ…数字によって違う
戻って来る間がいいな
スマホは味が無いです
どこに電話をするんでしょうか？
きっとどこの世界にも伝わると思います
「今日も元気にしてるかい？」
と、黒電話はの重いダイヤルを
ジーコジーコと回してみようかな・・・
ジ〜〜コ・・・ジーコ。
病は気から・・・？
自分の持っている治癒力が高まるのでしょうね
健康なんですよ！
本当はね＾＾
なんせGＰファイナルに合わせて頭痛が治ったからねｗ
我ながら なんつー現金な身体だって思うよｗ
バウムはどうなるのか？
悲しみを乗り越えて
子供たちと仲よく遊んでいくのかな
なにせ人気者の優しいどんぐりの木ですからね
体調良さそうですね
羽生効果は抜群だね？
ネーミングもいいですよね
ドイツ語かな
リヒトおばあちゃんが天に召された時には
バウムはどうなっちゃうんだろう？
植物に比べて人間の一生の短さを思いますね