ドラマ【相棒season13】
- カテゴリ:テレビ
- 2014/12/18 16:07:19
【感想】親の介護という高齢化社会では避けて通れない社会問題を採り上げた、ずっぽり社会派の回でした。脚本は櫻井氏かなと思ったけど、違いました。私自身は、親がいろいろ病気は抱えているものの、とりあえず元気なので、介護はしたことはないのですが、親が祖母の介護をしたことがあるので、どういうものかわかっているし、特養ホームにも行ったことがあります。今回の話では、寝たきりになった親が認知症にはなっておらず、はっきりものを言えるのが救いでしたよね。気難しいタイプで扱いづらかったとしても、何も言わずテレビも見ず日がな一日中天井を見つめているだけの人を介護するよりは、だいぶ精神的に楽なような気がします。
でもまぁ、イラッとするとは思うんですよね。仕事と割り切ることができる介護士ですら、腹を立ててつい虐待してしまうことだってあるんですから、介護をしなければならなくなったことで人生がまるっきり暗転してしまった子供が、感謝のそぶりも見せずただ我侭ばかり言う親に、反感を抱いても不思議ではないでしょう。ただそれは、子供にとっては育ててくれた親なわけですから、愛情やら絶望やら入り混じったとても複雑な感情でしょうね…。大抵の場合は、それを抑え込み介護を続けるものですが、つい手を出してしまう子供もいれば、今回のようにネグレクトに走る子供もいるのでしょう。茂樹には、そんな複雑で淀みきった感情を、もう少し赤裸々に吐露してもらいたかったです。
なぜネグレクトされた被害者である佳枝が、介護士や警察にその事実を隠そうとしたのか、亨が疑問を呈した時、右京はそれがわかればお父さんともうまくいく、みたいなことを言ってましたが、つまり親心であると言いたかったのでしょう。もちろんそれもあると思います。でもそればかりでもないと思うのです。ひょっとしたら佳枝は、息子が自分をネグレクトしていることを、恥と感じていた部分もあるのではないでしょうか。個人差はあると思いますが、元々まともな生活をしていた人ほど、逆境に陥ると世間体を考えてしまうものです。息子をかばいたいという親心と、現状を恥ずかしいと思う気持ちが、今回の事件をより複雑なものにしてしまったのでしょう。
実は早い段階から、私は茂樹が佳枝に虐待をしているのではないかと疑ってました。右京と同じで、どう考えても介護士の奈々が老人を虐待するような女性には見えなかったのです。最初に逮捕された容疑者の男性が、社会福祉士?だか何だったか忘れましたが、介護に関係ありそうな職業だったのも引っかかってました。しかし佳枝は明らかに痩せてきているし、腿に痣があった。てことはあとは茂樹しかいないですよね。佳枝が近所の知り合いにまで、息子によるネグレクトを隠すため、介護士のことを悪く言っているとは思いませんでしたし、腿の痣が自分でつけたものとは思いもよりませんでしたけどね。頭のしっかりしている老人というのは、なかなか侮れないものです。
さて、今年はこれで終わりのようで、次回予告は恒例の元日スペシャルでした。予告に、今シーズン初回にも出てきた仲間由紀絵が早速再登場してましたよね。初回は後半しか見れてないですが、何となくまた出てきそうだなぁと思ってたら、やっぱりですよ。これはなかなか楽しみですね。