愛と希望と涙
- カテゴリ:自作小説
- 2014/12/20 00:04:49
黄色い天使と赤い人間
第七章 愛と希望と涙(下に六章があります)
*ケント*
「俺は初めてタツキと会った時から守ってやりたいって思ってた。
そばにいて寂しい思いを少しでもさせたくないって思ってた。
だけど、俺はタツキが本当に辛い時、寂しい時、悲しいとき、一緒に居てやれなかった。
あるときタツキは俺に僕って必要なのかと聞いてきた。
あの時の俺には言えなかったけれど、今なら言えることがある。
俺はさ、タツキのことがずっと好きだったんだ。
男同士ってことも教師として最低だということもわかってる。
でも、この気持ちには嘘をつきたくないから。
アキラも多分、タツキのことが好きだったんだと思う。
だから、危険を侵してまで天界に来た。
それだけはわかってやって欲しい。」
ポロポロと涙を流すタツキを俺は優しく抱きしめた。
あの時のようにタツキは今にも消えてしまいそうなほどに細かった。
最後になってしまったけれど伝えられたこの思い。
タツキの心に届いてくれただろうか。
「先生、ちょっとだけ時間くれるかな・・・?」
タツキの言葉に俺は頷いた。
するとタツキは紙を5枚取り出して何かを書いた。
きちんと5枚とも封筒に入れて俺に渡した。
「これ、僕からの最後のプレゼントッ!
みんなにわたしてあげてね」
タツキはそういうと「バイバイ、僕の大好きな人達・・・」と呟いた。
タツキの胸元には
赤色に染まる裁きの矢が刺さっていた。
矢は一瞬にして消え去り、血まみれのたつきはふらりとアキラの横に倒れ込んだ。
俺はふたりの体を抱えて天界を後にした。
天界に通じる部屋を一歩出たところには涙を流しながら俺が出てきた部屋の扉を見つめる奏とパクの姿があった。
「先生ッ!
アキラとタツキ先輩は!?」
奏の必死の問いかけに俺は正直に答えようと思った。
「アキラは生きてる。
時期、目を覚ますと思う。」
ただ、それだけだった。
タツキのことはアキラも目を覚ましてから説明をするつもりだった。
数十分経つとアキラの意識が戻った。
まぁ、目を覚まして間もないやつにする話じゃないが・・・・仕方ないだろう。
「タツキは死んだ。
アキラの代わりに。
天からの裁きを受けた。
・・・・アキラが悪いわけじゃないんだ。
どちらにしろ、タツキには寿命があってもってあと半年だった。
そして、今日、こんなことがあった。
タツキはどうせなくなる命ならアキラに命の大切さを、命の重みを知ってもらおうと思ったらしい。
自分の命を犠牲にした。
タツキの最後の言葉はバイバイ、大好きな人達だった。
さよならじゃなくてバイバイってことはまた会えることを願ってのことなんじゃないかな。
きっとタツキは誰も恨んだりしてない。
だから、自分のせいだと思うのはダメだよ?」
俺はそう言ってタツキから預かっていた5枚の手紙を懐から取り出した。
赤色の封筒はアキラに。
青色の封筒は奏に。
緑色の封筒はパクに。
桃色の封筒はこんちゃんに。
そして、紫色の封筒は俺に。
タツキから受け取った手紙を開く。
手紙を読んでまず、涙が出た。
それから、もう、コの字を見ることもないと思うとさらに涙が出た。
タツキの笑顔も、声も、姿も、もう、ここにはいない。
そう思うと涙が止まらなくなった。
どの手紙にの最後にもこう記されていたそうだ。
「僕という人はいなくなるけれど、僕の心はずっとみんなのそばにいます。
みんなのこと、大好きです。
タツキ」
たつきも泣きながら書いたのだろう。
文字に涙がこぼれて字が滲んでいた。
なぁ、タツキ。
俺たち、お前が帰ってきてくれるの待ってる。
生まれ変わったらまた、ここに会いに来て?
そしたら、またみんなで笑って、泣いて、喧嘩して、喋って、踊ろう。
END
ここまでよんでいただきありがとうございました。
このシリーズはここでおわりとなります。
どうしても最後の言葉を使いたかったのですが、アキラくんは違う気がしたので先生に言ってもらいました。
このお話、最初はタツキっくとアキラ君のいちゃいちゃを書こうと始まったものなのですがいつの間にやら別物に。
その上、感情移入のしすぎで彩乃は涙でぐっしゃぐしゃですw
まぁ、ちんたら話してもあれなんでこれにておわり!
裁きの矢とか…俺が防いでやるっ!((
あー、もう、タツキっくまじ天使だな…
皆も天使だけどさ…w
悲しすぎるでしょ…!うるっと来たw
雨さすがすぎる…
今度はもっとhappyなの書いてな?ww
とりあえず、お疲れ!面白かったよ♪