死の女神とアレクス
- カテゴリ:小説/詩
- 2015/01/07 00:18:38
舞い降りる黒き羽。
黒き翼をはばたかせて降りてきた軌跡を辿るように黒き羽は舞う。
宵闇のローブを身にまとい、灼熱の炎の絨毯の上を堂々と歩く。
灼熱の炎から不死鳥のこどもらが飛び上がり、産声をあげている。
絶望をもたらす炎。
希望をもたらす深緑の森。
黒き果実は女神の望むモノへ姿を変える。
女神の楽園をどういうわけか管理している悪魔アレクスなのか、大天使サリエルなのか
それさえも分からない。
彼女でも彼でもない。
揺らぎ続ける存在。
それゆえに楽園の管理を任された存在。
女神は今日もまたアレクスに声をかける。
「今宵は眠い。ベッドは在るか」
「もちろんに御座います。果実はあなた様の命ならばその通りに」と、アレクスはいう。
「オーダーはもう一つ。精神崩壊した果実はあるか」
「わが幻惑によりて精神崩壊をきたした絶望の果実ならここに」と、アレクスは黒紫の果実を女神に渡した。果実からは呻き声(うめきごえ)がにじみ出ている。女神はその果実をそっと触った。
金色なる糸が果実に絡みつき、包み込んでいく。
「いつ出来上がるか楽しみだ」と、女神は微笑む。
「極上の悪夢(ナイトメア)となりましょう」
「少し違う。たゆたいし金色なる混沌から生まれし、小さな存在、それが人間よ」
「人間?人間が生まれるのですか。」と、アレクスは首をかしげる。
「生まれ変わる人間の魂よ。わらわとそなたの守護を受ける人間の誕生・・・生まれる月はサソリが天に上がる10の月の終わりと11の月の始まり」
「その者は精神崩壊したまま生まれるのですか」
「冥府の神に守護される者は精神崩壊を体験しても平常心を保てる。もっとも闇との対話に長ける者。そういう人間もまた必要」
「しかし、すぐにこちらが恋しくなり死を選ぶのではないでしょうか」
「そうならぬよう記憶を呼び起こしてやればよい」
「御意。わが幻惑によりて導きます」
「アレクス、気づかれてはならぬぞ。くれぐれも気づかれぬよう覚醒させるのじゃ。その者を通してわれらが異界へ旅立てる扉として育てるのじゃ」
「御意。お任せください」と、アレクスは頭を下げてデスサイズと共に闇へ消えた。
女神はほのかに笑い、赤いワインを呼び寄せ、右手に持って飲み干した。
銀にも金にも見える不思議な髪。
赤き目。金色なる目。
女神はあなたをどちらの目で見ているのか。
赤き目で見られているなら、あなたに何かと決別する時を与えてくださっているのかもしれない。
金色なる目なら、あなたに神の智恵をお与えになっておられるのかもしれない。
女神はただ微笑む。
そしてすっと手を上げて降ろす。
かくしてデスサイズは戻ってきて、アレクスを呼び寄せ、あなたは幻惑にとらわれる。
人生という幻惑に。
アレクスの手の中で踊っているのかもしれない。
あなたが条件反射から離れるなら
あなたは人生を女神と一緒に自分でSelectする道へ誘われた。
アレクスはあなたを操りたいわけではない。
あなたが覚醒することを望んでいる。
あなたにとってアレクスは操りの主である悪魔か
それとも覚醒へ導く大天使サリエルとして姿を見せるか。
それはあなた次第。
女神はそう語り終えると。
ゆっくりと目をつぶり、私(ボク)の前に立った。
私(ボク)は何色の目を見ることになるか。
赤き目だった。
今日は終わり、今日を生きる。
眠る時間だ。
おやすみなさい。
あい
深い感想というか、小説の続きを書いていただいたような感じに受け止めました。
わざわざコメントありがとうございました。
駄文をのせてみました
おめ汚し失礼しましたm(_ _)m
生まれる夢を見るために眠る
向こう岸に奇妙にあこがれるのは
そこが容易に辿り着くべき場所でないと分かっているからだ
夢は向こう岸を見せ
目覚める度にあなたは新しく生まれている
おやすみなさい
よい夢を
今日はもう遅いので、感想はのちほど書かせて頂きますm(_ _)m